2024年7月30日
今日はここ三俣山荘から双六小屋までの移動だけなので、時間的にはかなり余裕があります。天候が安定している時にテント撤収をしたいし、できれば双六でも降雨のない時にテント設営をしたいところです。しかし携帯は圏外です。
猛烈な雨がテントを叩き、到底外に出る気になりません。せめて傘で何とかなるくらいになったら山小屋に行きましょう。
6時40分頃、一旦雨は霧雨になりました。今のうちです。傘をさして小屋まで行きました。まずはトイレへ。ついでに三俣山荘で天気の相談をしました。小屋の職員はスマホで調べてくれました。
「7時から本格的に降ってきます。それが通り過ぎたら一旦止みそうですが、その後も降ってきますね。でもこれから降ることに比べればまあ、ましでしょうか。」
画面を見せていただき、なるほど7時から9時の間くらいに3県境を雨雲が通過します。それなら、それが過ぎてからテントを撤収しましょう。しかし携帯ガンガン電波入っていますね。衛星ですか?
「ここ、ソフトバンクなら入るんですよ。お客さんのドコモですか?ドコモはダメみたいです。もっと上の方に行けば入るところもあるみたいですが。」
がーん。そんなことになっていたとは。しかし、山岳地帯では携帯電話が使えるかどうかは遭難するかどうかの問題に直結します。せめて大手3社だけでも山岳地帯相互乗り入れしてもらえないでしょうか。
時間つぶしはこの書架がありますからまったく苦になりません。
この環境ではこれが一番です。
7時を少し過ぎた頃、窓を風が叩き始めました。そして大粒の雨が真横に飛んでいきます。ハイマツはちぎれそうなほどたなびいています。
天気の相談してよかった。下手すりゃこの中でテント撤収していたよ。1時間ほどロビーで過ごしていたら、清掃の為喫茶室へ移動するようにと言われました。カフェは8時30分からですので、まだ30分ほどあります。
喫茶室の窓も強風でがたがたと音を立てていました。これ本当に止むのかな。1巻を読み終え、2巻目を読み始めました。この風の中、俺のテント立っているかなあ。モノポールだからペグが抜けたり張り綱を引っ張っている石が動いたりしたらぺちゃんこ、下手すりゃ遥かなる彼方へ行っちゃってるんじゃないか。
喫茶室は満員です。これ無料で使わせてもらったら問題だな。自分で担いだもの以外は口にしないという鉄則より常識が優先されるべき所でしょう。8時30分になるや否やケーキを注文しました。これで一応はここで過ごすことに問題はなくなったわけです。
おいしくケーキを頂いたら、雨雲レーダーでは雨雲が切れる時刻になってきます。そろそろ覚悟を決めて外に出ますか。
いやまて、明日ここから一気に下山するという手もあるぜ。2日目には登りでここまで来たんだからさ。正直、小屋から出たくないという気持ちが湧いてきてしまいました。でも明日は降りて寝るのではないのです。そこから自宅まで300㎞を超えるライディングがあるのです。退職していたら、迷わず連泊なんだけどな。もっとも、双六小屋のテント場はこの時期予約制で今日予約していたから明日にするとちょっと気まずいというのはありますけどね。
合羽はテントの中、失敗したなあ。持ってきてここで着ればよかった。まあいいか、覚悟を決めて外に出ます。
風は強いものの、雨は霧雨程度でほとんど心配はいりませんでした。そしてテントも無事にそのまま立っていました。合羽を着こみ、ザックを出したらテントを撤収します。
10分ほどでパッキング終了。普段は使わないトレッキングポールを出しました。風であおられたときに支えがあった方が良いと思ったのです。
さあ出発だ。9時06分、三俣山荘キャンプ場出発。
雨は先ほどのひどさを考えれば十分と言っていいほど収まっていました。まずは三俣蓮華岳を登ります。
岩の上を水が流れてきます。
そして窪んだところは水たまりに。ここ歩くしかないのか、長靴じゃないんだぞ。
この過酷な環境に良く順応していますね、高山植物は。本当に感心してしまいます。
これだけ水で痛めつけても水が入ってこないローバーの登山靴。さすがです。中は乾いた状態が続いています。
9時57分、三俣蓮華岳山頂方面と巻道の分岐通過。
ここからはしばらく下りです。慎重に下っていきます。
これ本当に登山道か?沢に迷い込んだのでは、と真剣に考えてしまうほどの水量で、緑のロープや排水の溝が出てくると迷っていなかったことを確認できる感じです。
風雨の北アルプスには楽しみなんてない!ことはありません。このようにライチョウがおでむかえしてくれました。しかもこのヒト、子育て中で、写真に収めることはできませんでしたが雛2羽がそばにいました。
一昨日通過した時には水なんて全くなかったのに、今はこの有様です。
すれ違う人と情報交換、そして
「今日は絶好の登山日和ですね。」
「この天気に登るなんて、これぞ山の醍醐味。」
などと言葉を交わしては大笑い。この天気も悪いことばかりではありません。
「この先の岩場の登りは滝のようになっています。気を付けてください。」
と言われました。そうだったよね、崖のような部分の通過があったんだよね。
そう、ここここ。げ、本当にもう滝じゃん。
崖を登り切ったら巻道の半分を超えたことになります。後は登り調子だし、もう大丈夫でしょう。
いやそんなことはなかったです。川底を歩くような道になっています。
ここを越えれば稜線に出られるよ。あれ、靴の中なんか染みて来た。
11時30分、稜線に出ました。靴の中はびっしょりになってしまいました。
後はここを下るだけ。双六小屋が霞の中に見えています。
11時42分、双六小屋に到着しました。さあテント泊の手続きをしてきましょう。ん、テント張るの?この天気の中で???
受付でテント場の予約をしていた者ですが、もし小屋に余裕があるなら素泊まりに切り替えられますか、と尋ねました。すると、今日はまだ余裕があるので大丈夫です、とのこと。
ラッキー!
この小屋は雑魚寝ではないのでそれなりに過ごしやすそうです。ただ、私の下に入った方は大きな声で絶えず独り言をいう癖があり、少し不快な思いをいたしました。山小屋はこれがあるんだよな。
こちらも携帯は圏外でした。しかし、600円で24時間のWi-Fiが使えるサービスがあり、早速手続きをしました。ちなみにAUなら無料でそのサービスが使えます。
濡れた衣類を乾燥室へ、合羽やザックカバーは雨具乾燥室へ。そして食堂で持ち込みの昼食を食べました。雨天の中ザックを開けることができなかったので摂取したのはハイドレーションの水のみで、休憩も一回も取らず何も食べていなかったのです。
食後やごろ寝をします。しかし自室ベッドではWi-Fiが届かないので談話室に居場所を作りました。ここはストーブが焚かれてとても暖かでした。暇つぶしに家族友人親戚にラインを送ります。また天気の予報と明日の帰りのモーターサイクルでの行程の検討をしました。渋滞を考えると中央道周りより50㎞ほど遠回りになる上信越道周りが良いみたいです。
夕食は火器類の使用はできないものの、ポットでお湯がいただけるので十分調理できました。
外は大粒の雨が何度も降ってきていましたが、山小屋の中にいる限り何も感じることはなく快適にぬくぬくと過ごすことができました。
明日は最終日、最後くらい御来光を見たいものです。
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今日はここ三俣山荘から双六小屋までの移動だけなので、時間的にはかなり余裕があります。天候が安定している時にテント撤収をしたいし、できれば双六でも降雨のない時にテント設営をしたいところです。しかし携帯は圏外です。
猛烈な雨がテントを叩き、到底外に出る気になりません。せめて傘で何とかなるくらいになったら山小屋に行きましょう。
6時40分頃、一旦雨は霧雨になりました。今のうちです。傘をさして小屋まで行きました。まずはトイレへ。ついでに三俣山荘で天気の相談をしました。小屋の職員はスマホで調べてくれました。
「7時から本格的に降ってきます。それが通り過ぎたら一旦止みそうですが、その後も降ってきますね。でもこれから降ることに比べればまあ、ましでしょうか。」
画面を見せていただき、なるほど7時から9時の間くらいに3県境を雨雲が通過します。それなら、それが過ぎてからテントを撤収しましょう。しかし携帯ガンガン電波入っていますね。衛星ですか?
「ここ、ソフトバンクなら入るんですよ。お客さんのドコモですか?ドコモはダメみたいです。もっと上の方に行けば入るところもあるみたいですが。」
がーん。そんなことになっていたとは。しかし、山岳地帯では携帯電話が使えるかどうかは遭難するかどうかの問題に直結します。せめて大手3社だけでも山岳地帯相互乗り入れしてもらえないでしょうか。
時間つぶしはこの書架がありますからまったく苦になりません。
この環境ではこれが一番です。
7時を少し過ぎた頃、窓を風が叩き始めました。そして大粒の雨が真横に飛んでいきます。ハイマツはちぎれそうなほどたなびいています。
天気の相談してよかった。下手すりゃこの中でテント撤収していたよ。1時間ほどロビーで過ごしていたら、清掃の為喫茶室へ移動するようにと言われました。カフェは8時30分からですので、まだ30分ほどあります。
喫茶室の窓も強風でがたがたと音を立てていました。これ本当に止むのかな。1巻を読み終え、2巻目を読み始めました。この風の中、俺のテント立っているかなあ。モノポールだからペグが抜けたり張り綱を引っ張っている石が動いたりしたらぺちゃんこ、下手すりゃ遥かなる彼方へ行っちゃってるんじゃないか。
喫茶室は満員です。これ無料で使わせてもらったら問題だな。自分で担いだもの以外は口にしないという鉄則より常識が優先されるべき所でしょう。8時30分になるや否やケーキを注文しました。これで一応はここで過ごすことに問題はなくなったわけです。
おいしくケーキを頂いたら、雨雲レーダーでは雨雲が切れる時刻になってきます。そろそろ覚悟を決めて外に出ますか。
いやまて、明日ここから一気に下山するという手もあるぜ。2日目には登りでここまで来たんだからさ。正直、小屋から出たくないという気持ちが湧いてきてしまいました。でも明日は降りて寝るのではないのです。そこから自宅まで300㎞を超えるライディングがあるのです。退職していたら、迷わず連泊なんだけどな。もっとも、双六小屋のテント場はこの時期予約制で今日予約していたから明日にするとちょっと気まずいというのはありますけどね。
合羽はテントの中、失敗したなあ。持ってきてここで着ればよかった。まあいいか、覚悟を決めて外に出ます。
風は強いものの、雨は霧雨程度でほとんど心配はいりませんでした。そしてテントも無事にそのまま立っていました。合羽を着こみ、ザックを出したらテントを撤収します。
10分ほどでパッキング終了。普段は使わないトレッキングポールを出しました。風であおられたときに支えがあった方が良いと思ったのです。
さあ出発だ。9時06分、三俣山荘キャンプ場出発。
雨は先ほどのひどさを考えれば十分と言っていいほど収まっていました。まずは三俣蓮華岳を登ります。
岩の上を水が流れてきます。
そして窪んだところは水たまりに。ここ歩くしかないのか、長靴じゃないんだぞ。
この過酷な環境に良く順応していますね、高山植物は。本当に感心してしまいます。
これだけ水で痛めつけても水が入ってこないローバーの登山靴。さすがです。中は乾いた状態が続いています。
9時57分、三俣蓮華岳山頂方面と巻道の分岐通過。
ここからはしばらく下りです。慎重に下っていきます。
これ本当に登山道か?沢に迷い込んだのでは、と真剣に考えてしまうほどの水量で、緑のロープや排水の溝が出てくると迷っていなかったことを確認できる感じです。
風雨の北アルプスには楽しみなんてない!ことはありません。このようにライチョウがおでむかえしてくれました。しかもこのヒト、子育て中で、写真に収めることはできませんでしたが雛2羽がそばにいました。
一昨日通過した時には水なんて全くなかったのに、今はこの有様です。
すれ違う人と情報交換、そして
「今日は絶好の登山日和ですね。」
「この天気に登るなんて、これぞ山の醍醐味。」
などと言葉を交わしては大笑い。この天気も悪いことばかりではありません。
「この先の岩場の登りは滝のようになっています。気を付けてください。」
と言われました。そうだったよね、崖のような部分の通過があったんだよね。
そう、ここここ。げ、本当にもう滝じゃん。
崖を登り切ったら巻道の半分を超えたことになります。後は登り調子だし、もう大丈夫でしょう。
いやそんなことはなかったです。川底を歩くような道になっています。
ここを越えれば稜線に出られるよ。あれ、靴の中なんか染みて来た。
11時30分、稜線に出ました。靴の中はびっしょりになってしまいました。
後はここを下るだけ。双六小屋が霞の中に見えています。
11時42分、双六小屋に到着しました。さあテント泊の手続きをしてきましょう。ん、テント張るの?この天気の中で???
受付でテント場の予約をしていた者ですが、もし小屋に余裕があるなら素泊まりに切り替えられますか、と尋ねました。すると、今日はまだ余裕があるので大丈夫です、とのこと。
ラッキー!
この小屋は雑魚寝ではないのでそれなりに過ごしやすそうです。ただ、私の下に入った方は大きな声で絶えず独り言をいう癖があり、少し不快な思いをいたしました。山小屋はこれがあるんだよな。
こちらも携帯は圏外でした。しかし、600円で24時間のWi-Fiが使えるサービスがあり、早速手続きをしました。ちなみにAUなら無料でそのサービスが使えます。
濡れた衣類を乾燥室へ、合羽やザックカバーは雨具乾燥室へ。そして食堂で持ち込みの昼食を食べました。雨天の中ザックを開けることができなかったので摂取したのはハイドレーションの水のみで、休憩も一回も取らず何も食べていなかったのです。
食後やごろ寝をします。しかし自室ベッドではWi-Fiが届かないので談話室に居場所を作りました。ここはストーブが焚かれてとても暖かでした。暇つぶしに家族友人親戚にラインを送ります。また天気の予報と明日の帰りのモーターサイクルでの行程の検討をしました。渋滞を考えると中央道周りより50㎞ほど遠回りになる上信越道周りが良いみたいです。
夕食は火器類の使用はできないものの、ポットでお湯がいただけるので十分調理できました。
外は大粒の雨が何度も降ってきていましたが、山小屋の中にいる限り何も感じることはなく快適にぬくぬくと過ごすことができました。
明日は最終日、最後くらい御来光を見たいものです。
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