2017年8月28日当直明け
夕方に出発。モーターサイクルを登山のアプローチにしたのですが、こっちの話はツーリング編にまとめますので、時間を次の日まで飛ばします。
2017年8月29日9時13分。畑薙ダム北の沼平ゲートから歩き出します。車両の通行には規制がかけられていますが、徒歩は問題なく通過できます。ここにある登山指導センターへ登山計画書を提出しました。
コースタイムで40分の林道歩きです。未舗装で穴ぼこだらけ、そこをコンクリートミキサーや大型ダンプが行き交います。その度に立ち止まって道を開けます。林道歩きが長い!嫌になるくらいです。
9時40分、ようやく畑薙大吊橋に到着しました。対向の先客がいたので、通過待ちします。そいつ、途中で写真撮影なんかして結構時間をかけていました。冗談じゃないぜ。こっちはスタートが遅くなって時間が押しているんだぞ。
さあ、渡るか。揺れ止めもしっかりしているし、安心して渡れます。
山行十話では、渡り終えたこの辺りで1本入れたとありますが、私の場合一人なのでペースは全くの自分流でOK、先を急ぎます。
結構な斜度の登りが早速始まります。しかも道はトラバース気味、踏み抜けばダム湖底へと一直線!
10時13分、ゲートから丁度1時間でヤレヤレ峠へでました。こちら側から行くとヤレヤレという感じは全くなく、これからの長い行程を思えばマダマダ峠なのですが、下山時には最後の登りをこの峠で終えるのでヤレヤレ感がたっぷりとあることでしょう。それは2日後に味わうとして、ここも通過します。
ヤレヤレ峠からの下りはかなり長く、明後日のヤレヤレっぷりがさらに上昇することが判明しました。せっかく稼いだ高度がまた振出しに戻ってしまうので、こっちから行ってもやっぱりヤレヤレ。
結局沢まで降りてしまいます。しばらくは沢沿いに進みます。最初の吊橋が見えてきました。
なんか踏板が傷んでいるんですけど。大丈夫か~?
もう少し進みと2つ目の吊橋が。こっちも傷み加減です。まあ、大丈夫だろうけどね。
この辺りから沢から一旦離れます。でも、あちこちに水が染み出ているところがあるので水には苦労しないコースです。
ウソッコ沢直近の梯子とは、これのことでしょうか。それならウソッコ沢が近いということになりますね。
吊橋を渡り、さらにこの金属の橋を渡ると、
11時09分、ゲートから約2時間でウソッコ沢小屋到着です。山行十話では真新しいとされていますが、それから39年経ってしまったのでこの有様です。しかも無人です。当時は管理人がいたのでしょうか。
案内板にも通年無人の文字があります。ひどく空腹を感じたので、ここで初めての休憩を取ることにしました。
おにぎりを食べていると、若者がひょいひょいと登っていきました。テント泊なのでしょう、テントマットをザック外へ付けています。若い人がうらやましいな、などと思ってい見ていました。なにか今日は体が重くて思うように動かない。まあ初日だし、こんなもんだろうけど。
11時27分、再び歩き出します。歩き出してすぐの吊橋の下に、滝つぼへ張り出した岩があるのを認めました。山行十話で1年生シゲルが取り付いていたオーバーハングの岩は、あれだったでしょうか。
滝もなかなかいい滝ですね。
ただ、この橋は板が腐っていて一部落ちています。気を付けて歩かないと大変なことになりそうです。
ウソッコ沢からは地図にもある通り、急登が続きます。疲労感が増してきて、しかも片頭痛の予兆が現れてきました。計画では茶臼小屋まで行くつもりでしたが、まだまだ長く続くだろう登りに不安を感じてきます。
11時27分、中の段到着。休憩する予定ではなかったのですが、思わず休んでしまいました。いや、山行十話でもここで休んでいるじゃないか。
やはり、横窪沢小屋泊まりにすることにしよう。そうなると明日の光岳往復はあきらめるしかないな~。でも、途中で動けなくなったらと考えると、安全第一で行くべきでしょう。
なにしろこの急坂は最後まで続くのですから。
そうこうするうちに頭痛が始まりました。それでもこの看板まで来ました。
あと10分、本当かな?全然見えないし、気配さえないんだけど。
看板から10分、って着いたのは横窪峠だよ!ここからまだ小屋まであるじゃん!
やっと小屋が見えてきました。頭痛はいよいよひどくなりそうです。見えてからも結構下り、ようやくここまで来ました。橋を渡ればすぐ小屋です。
13時08分、横窪沢小屋到着です。テント場の申し込みをします。小屋番は寡黙な人でした。
テントはどこへ張ってもよいとのこと、ここにしました。寝心地の良さそうな地面でしょう?
水は蛇口をひねればジャージャー出放題、そして沢音が盛大に聞こえる何とも水に恵まれたテント場です。水を汲んだら早速テントを張って、まずは昼寝。私の片頭痛の特効薬です。
太陽が高いうちにはひどく暑くて、ずいぶん汗をかいてしまいました。嘔気もややしてきましたが、休んでいるうちに消失していきました。そして陽が山影に入るとテント内温度も落ち着き体を休めることができました。
起きたらもう16時30分です。良く寝たものです。荷物の整理をして、17時頃より夕食の調理を始めます。これが今日の夕食です。会社の皆様、節約しているでしょう~!
もつ煮込みは乾燥分葱を入れて煮込みました。美味しくできましたよ。
夕食が終わったら、歯磨きしながら夕涼み。日暮れが近くなってきたらずいぶん気温が下がってきました。
畑薙の大吊り橋が、昔、1度目は湖が下にありましたが、数年後には堆砂してしまい、川になってしまっていました。南アルプスが地質学的にはまだ若い、造山運動さなかにあることを実感しました。
小さなうそっこ沢小屋は記憶にありますが、横窪沢小屋が記憶から落ちています。それともその後に新設された物なのか?
とにかく、幕営装備を背負ってでは、登りでのある山ですね。
続きが楽しみです。
横窪沢小屋は、山行十話では「向こう岸にひっそりと建っていた」とあるので、登山道すぐ横の現在とは場所も違いますね。その後に建てられたものなのでしょう。
仰るとおり、大変な登りでした。南の南はどのルートもおそらくこんな感じでしょうね。傾斜が急で、しかも長大、さらにアクセス不良と稜線に出るまでが大変です。
はい、本当に困ります。あまりにも頻回なので対処できるようになってきてしまいましたけどね。根本的解決するように病院に行こうかと思っています。