4時にかけた目覚まし時計は鳴らせることもなく、3時30分には朝食を食べ始めます。やはりイベント参加の日はどこか興奮気味なのでしょうか。メールをチェックするとなんと、御大から午前1時にメールが来ていました。何時に寝たんでしょうか?今日のロングライドは大丈夫かなあ。
4時に妻と娘を起こし、食事を摂らせます。そしていよいよ車に乗り込む4時25分。4時40分御大、5時御大義兄様ピックアップ。日の出の景色を楽しみながら順調に車は進みます。
時々、ルーフに自転車を積んだ車が追い越して行きます。追い越し様、笑顔であいさつ。みんな朝早くから、楽しそうです。
6時20分、大谷PA到着。トイレに寄ります。ロマンチック村のトイレは混雑が予想されますからね。
ルーフの上には5台のロードバイクが積載されています。いちばん左はブサギロードです。結局、陸上部がオフになった娘も参加できることになりました。
ロマンチック村に着いたら、まず受付、次はバイクを降ろしてセットアップ。ポンプでタイヤの空気圧を適正にあげ、と言っても5台で計10本もあるので案外時間がかかります。特に私は自分、妻、娘と3台面倒を見ているのですから。
色々とやることが多くてあっという間に時間は過ぎ、開会式もほとんど参加できませんでした。時刻は8時ちょっと前。ジャパンカップチャレンジ110㎞コースの私は出走者の列に並びます。出遅れてずいぶん後ろになってしまいました。
8時20分頃、スタート。集団を引っ張って1分前スタートの集団に追いつきます。いくつかの信号待ちでどんどん集団は前の出走者を吸収し、長い列車を形成します。列の右を走り、上がっていくとブリッツェンの選手発見。その後ろが空いていたので付きます。
スタートの時に、1500W出す男と紹介されていましたね。馬力に直すと2馬力に相当するので、これは大変なものです。
速度は傾斜に合わせて無理なく、平坦で30㎞/h~35㎞/hで走ってくれました。これなら楽しく走れます。前を引いてくれるだけでなく、安全にも気を配ってくれますので本当に助かりました。
しかし、その楽しさもわずか30分で終了です。1つ目のエイドステーションに到着したのです。
ものすごい行列でした。温かいスープが美味しかったですね。パンもいただきました。さて、再び走りだします。独走になってしまいますが、心配はいりません。すぐに前に追いつき、まったりと走れます。ある程度休めたら、また前に出てその前の集団に追いつきます。その、繰り返しでどんどん距離を稼ぐとまたまた30分ちょっとで道の駅、湧水の郷しおやに到着です。
ユリピーと記念写真を撮ってもらいました。ゆるきゃらブームですね~。この暑いのに中の人は大変だ。
冷やしトマトが美味しい!そしてパンが選び放題!
消費カロリーより補給カロリーの方が上回っていたりして。これほどダイエットに向かないイベントも珍しいのではないでしょうか。
しおやを出ると水を張った田んぼの中を抜けて行きます。景色は田園風景でよいのですが、やや向かい風、遮るものがないので前を引く人は大変です。気持ちよく35㎞/hの列車に乗っかっていましたが、ずっと一人が引いている様子。だんだんペースが下がってきてしまいます。仕方がないな、するすると上がって、声をかけて前に入りました。
前に出るとやはり向かい風、35㎞/hの維持ができるのは5分程度、すぐに下がってきます。これはたまらないと先頭を代わってもらい、脚をためます。そしてまた前に出て、とやっていると「もうすぐエイドステーション」の看板がありました。梵天です。
ここの目玉は豚の角煮とおいなりさん。
食べて一息ついていると、あれあれ、知っている顔がいるぞ。
「鈴木真理さんですよね?一緒に写真写っていただけますか。」
一応確認。そっくりさんということもあったりしますから。
そうです、ハイいいですよ、と快諾を受け、イケメン二人の2ショット。真理(しんり)さんはアテネオリンピックの日本代表ロード選手でした。
あれから10年、変らないですね。
梵天を出て、信号待ちしている前方集団に追いつくと、その前を引いていたのはまたまた鈴木真理さん。えらく高いケイデンスでくるくる回して前を引いてくれていました。
一番前が真理さんです。あんまりよく写っていませんね。ヘルメットだけです。
安全安心、快適なサイクリングが楽しめました。オリンピック出場選手と一緒に走れる幸せを感じながらどんどん距離を稼ぐ、、、こともなく、すぐに次のエイドステーションへ到着です。
ここの売りは餃子でしょう。
水餃子なので、のどごしがよく食べやすかったですね。下には野菜が詰められていました。
ここまでくれば70㎞コースは残り20㎞程度でしょうか。でもまだエイドステーションはあるのです。
スポンサーの森永が提供する、フランスパンにコンデンスミルクがけ、苺にもそれが付き、それにコーヒーにも入っているそうです。特別サービスはパーカッションバンドの演奏です。
最後の峠をオフィシャルの応援を受けながら登りきると、下り坂、後はわずかで70㎞コースのゴール、ロマンチック村に出ます。110kmの私は通過します。時刻は11時30分頃でした。3時間10分で回ったことになります。たいしたことないように感じるでしょうが、何しろ5カ所のエイドステーションで食べまくりですから、走行時間は案外短いのですよ。メーターの平均速度は27.2㎞/hでした。
ここを過ぎるとまたたいして走ることもなく、大谷観音へ到着。昨年に引き続き、観音様と記念撮影しました。
ここではカレーがあったので、いただきました。他の参加者より、
「これから登るのに、漢ですね~。」
なんて言われました。
「私は平気ですよ。大変なのは私の後続車。踏まないようにしてください。」
カレー以外にも、トマト、オカラドーナッツ、オレンジと豪勢なメニューでした。またオフィシャルの女性がケロロ軍曹ジャージにモンペと何とも意味不明。
ここで妻の携帯にメールを入れまいた。
「現在位置、大谷観音エイドステーション。到着は13時30分~14時になる見込み。早く着くようなら先に入浴して下さい。」
あっちはあっちで気になりますが、こっちもこれから山岳地帯ですからね。
大谷観音ASの先の コースを確認すると、ケロロ軍曹、この先に怪しい人がいますからその人の案内に従ってください、と教えてくれました。でもお姉さんの、ケロロにモンペも十分怪しいんですけど。
たしかに怪しいですね。
「イー!」
ショッカーの戦闘員が立哨していました。ショッカーは人使いが荒いブラック企業ですからね。戦闘員は大変だ。
この辺りのオフィシャルはみな変なコスプレをしていて笑わせてくれます。女装、モモレンジャー、ワンピースのキャラ(名前は知りませんが)、なにやら怪しい人がたくさんいました。
登り始めたら息が上がってきました。まだ山岳賞コースまで行っていないのに。平坦で飛ばし過ぎたせいでしょうか、それとも歳のせい?なんだか疲れを感じてきています。脚が重くなってきています。
でも、景色はきれいですよ。せっかく参加してここを通過しないなんて、もったいない。
そして山岳賞コースへ到着しました。昨年は、強制参加でタイムスタンプ方式でしたが、今年は希望者のみ、計測チップ方式に変っていました。5人で参加しても、110㎞コースは一人ですから、わざわざ計測することはないなあ。それに去年は計測すると聞いて無理して登り、そのあとがヘロヘロで辛かったから、今日はそのまま行くことにしました。無理せず、自分のペースでゆっくり行きました。
そして頂上ゴール!
ボトルの水を飲み、もらっておいたパンを食べます。一休みしてから下らないと、大きな事故を起こす可能性が高くなるのでこれは大切なことだと師匠に教えられていますから。
息が整ったところで下ります。強めの向かい風で、耳たぶが風起きる音が唸りをあげます。ぐんぐん下り、下りきって一般車道へ出たところの信号でかなり待たされました。すると後ろから集団が降りてきて、追いつきました。その中に、ブリッツェンの選手が!ラッキー、前を引いてもらおう。
しかし、数分で私のすぐ後ろからパン!と甲高い音が聞こえてきました。どうやらバーストした様子です。ブリッツェンの選手、フォローの為に停車しました。結局また一人かあ~。
でも、もうじきエイドステーションの看板が見えてきました。いよいよ最後のASです。そしてこんな人もいました。
ASは最後まで食べ物が豊富、しっかりミネラルを補給して脚攣りの予防に努めます。さあ、あと20㎞だ!
追い風を受け、ぐんぐん飛ばします。ドラフティングの恩恵はまるで受けられませんが、ここへきて急に脚が止まらないのです。バンバン前走者を抜かします。そしてトンネル前の登坂。ここを越えればあとは下りだけ。がんばれがんばれ。
トンネルは登りで火照った体を冷やしてくれる快適な環境でした。そこからはアウタートップを踏み倒し、いけー!!しかし、途中から向かい風、下り坂なのにシフトダウンしなければならなくなります。速度は45㎞/hだったのは最初だけ、終いには30㎞/hまで落ちました。下りでこれとは、我が脚の貧脚ぶりにはほとほと困ったものです。
あと3㎞の看板を見てまた元気を盛り返し、少しシフトアップ。最後の交差点で那須ブラーゼンの選手に追いつかれました。
「ありがとうございました。大変楽しく走れました。」
「それはよかったですね。ゴールのポーズは考えてありますか?」
そうかそうか、ゴール写真があるのか。それならこれでどうだ!
二人で両手をあげてゴール!
写真、買っちゃいたくなったら困るな。時計を見ると13時30分でした。
完走証をもらう列に並び、携帯を出すとメールが着信しました。
「全員完走しています。」
すぐに電話。食事券でカレーをもらって食べる所だったようです。私も合流し、今もらったキリンフリーと本日2回目のカレーを食べました。
70㎞の4人はほぼ一緒に走ったそうで、御大と義兄様は、妻と娘に気配りしていただいたようです。全員メカトラなく、事故なく、楽しく走れたとのこと。ああ、本当によかった。これが「辛かった」「痛かった」「もういや!」だと次につながりませんからね。
完走後のブサギロードと娘。登りは一番強かったという説がありました。
温泉に入って、みんみんで餃子を食べ、事故、故障車をたくさん抱えた東北道の渋滞を乗り越えて帰宅しました。
御大、その義兄様、楽しい一日をありがとうございました。次はツールドさくらがわで、またご一緒をお願いします。
ボクが中学の遠足で見たあの懐かしい大谷観音が、歳月で味のある仏様になってきた感じがします。
それにしてもblogの書き込み速度にはビックリ。写真がたくさんはいり面白く読みました。