2015年8月26日
朝4時、起床のアラームが鳴ります。テントのフライを雨が叩いています。出発遅らせるか。今日は行程に余裕があるので、30分ほど様子を見ました。
4時半頃より朝食の支度をして、食べますが、外はやはり雨。このまま降り続けるならどうしようかなあ。地図を見ながら行程の検討に入りました。
5時頃、雨は止みました。なんというタイミング!早速支度をはじめます。5時50分、出発準備完了しました。雨は止んでいましたが、樹木や草で濡れそうだったし、寒かったこともあり合羽とスパッツは付けています。
他のパーティーが出発準備をしている横を抜け、草すべりへと足を進めます。

盛夏は過ぎていますが、草すべりはまだまだ花がたくさん咲いていました。

草すべりはまずは谷の部分を直登します。傾斜はきつめです。ゆっくり足を運んでいきます。

ゆっくりでも、10分も登れば白根御池はこんなに低く見えるようになってきます。

登って行くうちに暑さを感じ始め、汗で合羽の内側がじめじめしてきます。下は草で濡れちゃうから脱がないとしても、上だけでも合羽脱ごうかな。

6時45分、尾根の部分に出た樹林の中で、最初の一本。上だけ合羽を脱ぎました。

北岳はガスの中。登頂する頃までには晴れてくれればいいのですが。

さらに1時間ほど登った7時50分、シカの食害防護柵のところに出ました。ここで再び休憩します。ちょっと空腹を感じていたので、レーションを食べます。太陽が出ています。テント干したいな。

30分以上の大休止にして、テントマットとフットプリントを干しました。見る見るうちに乾いていきます。これで今日の夜も快適に過ごせるでしょう。

しかし、残念なことに霧雨が降ってきました。あわててしまい、再び合羽を着ました。
休憩場所からわずかに登ったところで右俣コースとの合流点でした。樹林を抜け、再び草すべりはいかにも「草すべり」たる景色を楽しませてくれます。

ここを登り切れば稜線です。草すべりは楽しく登れたなあ。

8時38分、稜線に出ました。

雨は止んでいますが、ガスはなくなる気配がありません。ここで北岳の姿を楽しめないのはなんとも残念です。

小学1年生の時、娘もここ登っているんですが、良くやったなあ、と改めてかんじました。

9時15分、北岳肩の小屋到着。レーションをほおばります。すると、隣で休んでいたおばさま、自分で担ぎあげた饅頭を一つ私に下さいました。これはうれしかったです。

肩の小屋のテント場です。8年前、あそこに張っておいたテントが、ペグで留めていた4隅のストラップを引きちぎり、中に入れていたザックと石を載せたまま宙に舞いあがってがけから転落したのです。

9時35分、ガスの好転をあきらめて出発します。

頂上に近づくにつれ、ガスが薄くなってきたような、、、、。

10時17分、北岳登頂!眺望はゼロ。明日の間ノ岳、農取岳に期待しましょう。

その分花を愛でればよしです。

北岳山荘へ向かいます。途中、大学パーティーを追い越します。テントマットを外付けするのが最近の流行なのでしょうか、それだと雨の中歩くと寝る時困らないかい?

11時10分、北岳山荘到着です。

妻へ定時連絡をしようとしたら、バッテリー切れになりました。でも大丈夫、チャージャーがあります。

テン場にはごみがかなりの量散乱していました。仕方がありません。拾える分は全部拾って私のごみ袋の中へ。山へ紙コップ持ってくる神経わからないなあ。

まずはカラ干しの続きからです。

時間がたっぷりあるので、テントを設営したらやはりドリップコーヒーを一杯。そして昼寝。贅沢な時間の使い方ですね。これが楽しみで山に来ていると言ってもあながち外れではないかもしれません。いつも忙しすぎるのです。

今晩の夕食です。

夕食を食べるころから、風や雨が時折強くなってきました。南からの風をよけられるところにテントを張ったのですが、時々逆から吹き付けられる事も有りました。まいったなあ。台風はもう日本海へ抜けてかなり遠ざかっているのになあ。
そして、テントに異変が発生。フライのシームシーリングテープがはがれてしまいました。フライから雨がぽたぽたと本体へ落ちてきます。しかし、それで参るテントではありません。撥水効果を発揮してぽろぽろと落として行きます。
しかし、バスタブと本体の縫い目から水がしみてきました。雑巾で拭いても拭いてもぬぐいきれません。

ラジオで聴く気象情報は山岳地帯ではあまり役に立ちません。やはり天気図を書いた方が良かったかな。AS-75FAのアンテナは伸ばしてやった方がより入るようになります。ラジオは雷の警報にもなり、雑音が入った時には山小屋へ逃げ込むことを考えた方がいいでしょう。

18時頃、いったん風雨は止みました。今のうちにトイレを済ませておきましょう。北岳山荘のトイレは土をこねまわす不思議なバイオトイレでした。一回の使用に500円程度の費用が掛かるそうです。環境の為には仕方がない出費ですね。

暗くなってきた頃になって、眼が冴えて来てしまいました。高所でのコーヒーが効いてきたのか、あるいは昼寝が過ぎたのか、その両方なのか。そしてうとうとし始めると猛烈な雨音と風に起こされてしまいます。日付が変るくらいまでそんな調子でした。
山は大抵こんなこんだともいえますが
スゴイな~
ここに行かないと見れない風景ですよね!
ステキです
> ぽぽめぐさん
コメントありがとうございます。
行かなければ見られないうえ、一期一会なので薄いガスの中のこの程度咲いている高山植物、なんて偶然は今後何回訪れても見られるものではないのです。
悪天候なりの山もいいものです。安全とのバランスは必要ですが。
でも雨ではよく眠れなかったでしょう。
続いて三日目に行きます、、、明日天気になあれ。
ハイジに出てくるゆきちゃん(やぎ)のお乳の出がよくなる薬草いっぱいありそうです~。
夜は断眠状態でしたが、時間的には長かったせいか、何とか持ちました。コースタイム的にはかなり余裕を感じました。
ユキちゃんならいいのですが、鹿の食害がかなり深刻な状況のようです。困ったものです。
今回のパトロール 朝起きて雨であったり色色と苦戦されていますね~。ラジオの雑音の注意であったりとテントの雨漏れであったりと難関の想像力をガシガシと掻き立てられます!
8年前のこの場所でいったい何があったのですか?(((o(*゚▽゚*)o)))
8年前、小学4年、1年の息子、娘を連れて北岳肩の小屋テント場でテントを張り、ザックや大きめの石などをテントに入れ、もちろん4角とガイラインもしっかりと固定しておきました。そして、北岳へアタック。その帰り道、テント場が見えているところでその、私たちのテントが突風に飛ばされてがけ下に転落!急いで降りて行くと、登山者たちに崖からテントを引き上げてもらった後だったという事件があったのです。
今回使用のテントはその時のテントを修理した物なのです。