最適なギア比を得られなければ、自転車は快適な乗り物ではなくなるのです。
 
アイフォーン用アプリに、ギア比計算機があります。スマートホンを持たない私は、i POD TOUCHでこのソフトを使っています。右列4段目、コグのアイコンがそのアプリケーションです。
イメージ 1
 
これが起動画面です
イメージ 2
 
これでギア比の計算をします。便利になったものです。中学生の時にはひたすら手計算、あるいはサイクルスポーツの増刊号の後ろにあるギアテーブルから拾い出して計算していました。
イメージ 3
 
使い方です。右下のダイアルで前ギアと後ろギアの歯数を入力します。すると、その上の窓にギア比が表示されます。たとえば、前50t、後ろ12tだと50÷12=4.1666666666、、、、、なので、4.17と表示されます。左のダイヤルでタイヤサイズを入力します。
上の段はケイデンスを入れると、速度が表示されます。その逆も可で、速度を入れるとケイデンスが表示されます。700×23Cで、50t×12t、ケイデンス90(毎分90回転)の時、速度は47.2㎞出ていることになります。
 
回転数はクランク長に影響を受け、ケイリンでは165㎜程度の長さでケイデンス160~170くらいで走るらしいのですが、自分の脚では最高で120がいいところです。クランクも一般的な170㎜を使用しています。165㎜だと、重くて軽めのギアでなければ踏めなくなります。
 
ちなみに、48t×15t、ケイデンス170だと、速度は68.4㎞/hに達しています。ローラー台ではケイデンス200オーバーも当たり前と言う世界らしいですね。世界レベルで見ればまだまだな競輪界ですが、それでもこの数字には驚愕してしまいますね。
 
市販されているロードバイク、最近初心者向けのバイクはコンパクトクランク(50t×34t)が付いていることが多くなってきました。後ろは12t~27t、もしくは11t~28tなんて言うワイドなのもあります。このトップ側3枚、使うことあるのでしょうか?
 
12t~27t 10sの場合、ギアの構成は 12t、13t、14t、15t、16t、17t、19t、21t、24t、27tです。
 
アウターギア50tで、700×23cのタイヤを使う場合、ケイデンス90で、
12t、レシオ4.17=47.2㎞/h
13t、レシオ3.85=43.5㎞/h
14t、レシオ3.57=40.4㎞/h
15t、レシオ3.33=37.7㎞/h
16t、レシオ3.13=35.4㎞/h
17t、レシオ2.94=33.3㎞/h
19t、レシオ2.63=29.8㎞/h
21t=レシオ2.38=26.9㎞/h
24t=レシオ2.08=計算機になし
27t=レシオ1.85=21.0㎞/h
 
となります。普通アウターギアではローとセカンド(この場合24t以上)は使わないので(クロスチェーンの弊害があるので)実質21まででしょう。
 
さて、ここからは私の脚力の問題です。独走で40㎞/h以上の速度で走ることは稀にしかありません。追い風だったり下り坂だったりする時以外、まずありえません。そしてもがきを入れて50㎞程度で走る時、ケイデンスは120くらいまで上がっています。その場合、50t×15tで50.3㎞/hです。下り坂で飛ばすって言っても、14tあればケイデンス120で53.9㎞/hも出ます。それ以上が必要な時、あるでしょうか?
 
12t、13t、なんのために付いているでしょう。ちなみに、レースでは話は別で、50t×13tがトップのギア比で富士スピードウェイを走ったら、足が回りきってしまいました。速度計は60㎞/hをかなり超えていました。また、フレンドリーパーク下総で行われたクリテリウムでは、私でも常に13t~15tで勝負していました。
 
無駄なギアを捨てて、その分よく使うあたりのギアの枚数を増やしたいですよね。状況に合わせてコグを複数持てばいいのですが、それでもちょうど良いギアを持つコグは販売されていません。
 
シマノでは、16t~27t、10sと言うのがあります。現在販売は終了してしまいましたが、かなり理想に近いのがこのコグです。私はチューブラーの軽量ホイールにそれを入れています。このコグはもう一つ持っていて、妻のロードの入れてあります。ただし、妻のバイクでは16tトップを受け付けないので殺してあります。17tがトップです。妻の走りでは50t×17tでもめったに使わないハイギアです。そしてよく使う18t,19t,20t,21t,22t,23tと、きわめて充実しているので走りは格段に滑らかになるはずです。が、ギア比が接近し過ぎているらしく、
「変速してもちっとも変った気がしない。」
という意見をいただいています。
 
その感覚は、12t~13tだとその差は1.083倍ですが、22t~23tだと、その差は1.045倍と差が縮まるから来るものでしょう。無段変速並みのつながりの良さが楽しめます。
 
普段使い用には12t×27t、これなら集団走行でも下り坂でもギアが足りないということはありませんが、前述のとおり、独走では使用頻度の低い方のギア構成が充実しているのに、よく使うあたりが1段の差が大きいという弊害を持っています。
 
もう一つ、エアロホイールには13t×25tを入れてあります。12tトップの物より格段に走りやすいですね。問題はロー側に不足してしまうこと。なぜ13t、14tトップのコグのローギアが25t止まりなんでしょうか。27t入れてくれよ~、シマノさん!
 
さて、娘のロードにはフロント46t×34tのスーパーコンパクトを入れてみました。46tは50tと比べると、ずいぶんギア比を軽くできます。
 
46t×12t、レシオ3.83≒50t×13t
 
つまりトップ付近では、ほぼコグ1枚分下げられるのです。これはいいですね。私と同じ脚力があるとすれば、1枚は下り坂専用のトップ、3枚目14tは50tの15tに相当ですので、高速巡航時にはもうぼちぼち使えるギア比となります。軽い方は34t×27tが最大のローギア、これは妻のロードと変わりません。
 
どっちが良いのでしょうか。妻には17tトップで十分だし、娘の場合すでに妻より速く走れる上に発展途上中だから、重い方に余裕のあるブサギロードの方がよいでしょう。
 
こうしてみると、私の走りでもサーキットでなければ46tの前ギアの方が適するということになりますね。
 
実際、よく使うギア、16t~21tが1tずつストレートで並んでいると走りやすいです。これが46tになると、大雑把にいえば15t~20t辺りになるわけで、クロスチェーンも1枚分防げますね。
 
でも、実を言うとインナーが39tだった7800デュラエース、平坦、登りはほとんどインナーを使用していたりします。うう、貧脚!