今日は先日ドナーとして部品を献体した小径車を復活させました。テーマは80年代カフェレーサー風、です。
カフェレーサーとは、競技志向のロードレーサーではなく、カフェまで流すロードレーサーと言う感じで、カフェの席から眺めて楽しい、美しい部品構成になっています。さらに「風」ですからね。
まずは現状。チェーンホイール、リアメカ、ブレーキレバー、シフトレバーがありません。暑いのでタープを張って日よけにします。

ハンドルは80年代から変わらない形、日東のNEATです。これにサンツアー シュパーブのブレーキレバーの組み合わせ。

ブレーキレバーも一度分解し、清掃、給脂を実施。フーデッドカバーはサンツアー純正ではなくダイアコンペの物です。内側に丸い切り取り線があり、セフティーレバーを付けることができます。

このころの部品はかなりバラバラにすることができますね。
当時の文法通り、ドロップハンドルの下の部分の延長線上にブレーキレバーの先端が来るように固定します。

リアメカはどっち使おうかなあ。レーサーだから、ロングケージは似合わないからサンプレックスだな。

さて、問題はこのディレイラー、本当はサンプレエンドが必要なのです。なんとピボットが雌ネジなのです。

難しい話は後回し、まずは分解、清掃、組み立てをしました。

パンタ部は分解できないので、洗浄して注油しました。軽量化の為、ボディの一部にデルリンと言うプラスチックが使われています。経年変化で変色が見られます。さすがに30年も経つと厳しいかな~。

ピボットの雌ネジにつぶれがあったので、タップを通してネジを立て直しました。

ロー側のアジャストネジはデルリンにネジが切られています。そのせいか、トップ側についているコイルばねが付いていません。ねじ込みに抵抗がかかり、十分回り止めになっているからでしょう。

裏から雄ネジで固定しました。が、ダブルテンションのこのメカ、スイングさせるとボディがエンドの出っ張りに当たってしまいます。そこでワッシャを噛ませて浮かせました。トップ側にボディが移動したことになるので、ローに入らなくなりました。そして13tのトップギアに裏から入れたネジの頭が当たります。コグを交換、12トップのギアに交換しました。これは8速なので、9sチェーンと合わなくなりました。まあ、インデックスではないし、キニシナイ!
12tトップはそれでもチェーンがネジにあたるので、ディレイラーのアジャスターで入らないように殺しておきました。そして1速にも入らないので7速止まり。6枚しか使えるギアがありません。どうですか、80年代っぽくなったでしょう!

フロントは恐怖のワイヤー横引き、デュラエースAxです。これは最初からこれですね。いちばん80年代を象徴する部品かもしれません。

シフトはまあまあですね。リアメカのプーリーがナローチェーン用ではないし、縦型ですからね。なんといってもスラントパンタではないので、トップ側はギアからプーリーが離れすぎ、どうしてももっさりした感触です。それでも、現在のチェーンとコグはきちんと変速してくれます。
さて、ワイヤーを張ります。安全の為、もちろん全交換です。リアはワイヤーアジャスターがどこにもつきません。ブレーキばさみと言う、本当に80年くらいに買ったこの特殊工具でブレーキをかけた状態にして、きつきつに調整します。ワイヤーの初期伸びも考えて、一発で決めなくてはいけないのです。

上の写真、タイヤの所にループがかかっている針金がブレーキばさみです。もう33年、よく使っていますね。
ドロップバーなので、ステムは25.4㎜φから26.0㎜φになりました。そうなると、これが使えます。チネリのアルター、どうです、かっこいいでしょう!これの上面にヌードシール貼っているプロ選手いたなあ。私のように女性の多い職場への通勤で、そんなの貼った車両を使っていたら村八分間違いなしです。

サドルは息子の通学用車から頂き、奴のにはフラットバーロードの純正品を戻しました。
ここまでできました。

シフトレバーはノンインデックスのバーコンです。これはかつてこの小径車で使っていた物の復活採用です。が、右しかありません。友人のロードに片側をあげちゃったのです。うーん、どうしよう。こんな味のある物もあるのですが、この車で使うには相当工夫しないとなあ。サンツアー BLのWレバーです。

リハビリ帰りにmasamasa師匠の所に寄って、相談してみました。いくつかの提案をいただいたのですが、なんとその辺に転がっていたのが新品の左バーコンです。しかも私の物とペアのやつではありませんか。それを購入しました。あとはバーテープです。80年代と言えば、やはり綿テープでしょう。高くなったなあ、80年代当時450円で買えたテープが1,050円か。でも、今どきこれが変わらず生産されている事が何よりすごいことですね。

バーエンドも懐かしいねじ止めタイプです。今のはただ押し込むだけの物がほぼすべてです。コストダウンの為でしょうか。
今週末はもう宇都宮、いじってばっかり、ちっとも走れていないぞ!これからでも、頑張れよ、俺。