今日は妻も私も公休です。
 
午前中は同僚のご母堂様の葬儀がありました。通夜には参列できなかったので、今日焼香に伺いました。同僚ご本人ではないので、前回のように鬱な気分ではないと思っていましたが、いつも元気な方が肩を落としている姿を目にするのはやはり辛いことでした。ご冥福をお祈り申し上げます。
 
午後は妻とかるーく武蔵野線の江戸川橋梁まで走ってきました。台風18号の影響で河川敷は今でも水浸しの所があります。
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雲はほとんどありません。暑くもなく、快適な走りが楽しめました。速度は控えめ、平均で20㎞/h程度でした。
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往きは軽い向かい風、帰りも向かい風気味の横風と走りやすくはなかったのですが、距離も短いし、疲れる前に帰ることができました。今日はまだまだやることがあるのです。
 
明日、あさってと、私は偶然の3連休です。明日は久しぶりに海に行きましょう。で、シーカヤックの準備です。シーカヤックと言っても、置く場所のない私はファルトです。
 
私のカヤックはフランス、ノーティレイ社の、グリーンランダーMKⅢです。このカヤックはかなり安く売られているので、持っている方もいらっしゃるかと思いますが、日本製と比べていろいろと粗があるのです。
 
これが収納状態です。電車でGo!の時にはサカイヤのファルトザックに船体布と艤装品、漕行用具、着替えなどを入れて担ぎ、骨組みの方はカートに括り付けて歩きます。重量はカヤックだけで30㎏近くあります。正直、すべてがザックに入る、軽量ファルトがうらやましいですね。
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組み立てです。まず、骨組みをすべて出します。腐食や傷みのチェックをしながら、折りたたんである所を伸ばしていきます。
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前後の骨組みを組み立てたら接続し、一つにします。ここまではあっという間、5分もかかりません。で、骨組みの完成です。アルミやグラスファイバーの骨組みの多い中、全木製のフレームは美しさ、優美さを感じます。
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船体布に骨組みを入れていくのですが、その前に浮力体とラダーペダルを付けます。浮力体は沈した時に、艇内に入る海水を減らして不沈構造にするためです。ラダーペダルは、純正品は足にベルクロで固定するタイプだったので、休ませることができないし、シーソックを使用すると使用不能になるので自分で作りました。エアプレーン式のペダルです。
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浮力体はこちら。小、大とタンデム配置です。この位置だと、どうやって空気圧を調節できるかって?それは後で解説します。
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ここまでできたら、いよいよ船体布に入れて行きます。これが組立で一番大変なところです。布と言っても、艇の底は分厚いハイパロンです。これが硬いのなんのって、濡らすと伸びると言われますが、五十歩百歩ですね。
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センターを確認しながら差し込みます。上は黒いテープに沿って、下は底にマジックで書いた線を目安にぐいぐい入れて行きます。やっとの思いではめられました。しかし、これで終わりでないのです。このくさびを打ち込んでさらにテンションをかけるのです。
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滑車を使って引き揚げながら足で踏んで何とかはめ込みます。そしてファスナーを締めます。このファスナーがまた締まらないのです。ぐいぐい骨組みを下に押して、どうにかこうにかファスナーを締めました。いつかファスナー壊れるな、これは。
 
リアにも浮力体を入れます。こちらはスペースが大きいのでカナディアン用の物を入れます。
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木製のコーミングを取り付けます。左右は穴に入れてずらすタイプ、前後はボルト&ウイングナットです。
そしてコーミングに船体布を巻き込んでいきます。
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シートの取り付けです。シートの背もたれは、付属の物はエア充てんタイプでしたが、かなり下の方で支えているのでバックレストとしての役を果たせず、腰痛を起こしてしまいます。そこで、代わりにアウトドア用の座椅子の背もたれを加工して取り付けました。そのままでは背もたれが高過ぎてスプレースカートが使いづらくなるので、ちょうど良い高さに加工しました。
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さて、バウ側に入れた浮力体の空気圧の調節はどうすればよいのでしょうか?実は、艇の設計上それはできないのです。また、荷物をバウコンパートメントに入れると出し入れするのに手を突っ込んで無理やり押し引きするしかなかったのです。バウハッチがあれば、そんな不便も解消できます。
 
ないなら、作っちゃいましょう。防水は2重です。内側は防水袋を切って縫い付けました。外のカバーはナイロンの生地で縫製しました。ハッチのコーミングはナイロンの生地で縫製、芯は背もたれとして使った座椅子の座面の発砲ウレタンをドーナツに切って使いました。ちょっと柔らかいのですが、波に突っ込んでも今までカバーが外れたことはありません。
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バウハッチの内側には、座椅子のストラップを使用して切り口の養生をしています。ここから手を入れれば、前も後ろも浮力体の空気を入れたり抜いたりすることができます。穴の下に見える灰色のビニールが浮力体です。
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ハッチを閉じると、こんな感じになります。船体布を折りたたんだ時に折り目にならず、手が入るギリギリのサイズで真ん中を避けるとこの位置になります。真ん中にはフレームが通っているので、大きな穴を開けないと手が入りません。右か左か、どっちでも良さそうですが、フジタ艇を見習って左にあけました。
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この艇の問題はまだまだあります。ラダーシステムが大変に遅れた仕組みなのです。ラダーを下げている時には全く問題を感じないのですが、上陸する時や、そもそも風の弱い時なんかは使わないことの方が多いのですが、90度程度しか持ち上げることができません。岩場に上がるときなど、ぶつけてしまうこともあります。改良しようにも、そもそもヒンジの位置がかなり下なのでどうしようもありません。フェザークラフトやアルフェックのようなラダーが欲しいなあ。
 
現在はさすがにノーティレイも270°回してスターンデッキの上に乗せられるタイプにモデルチェンジしていますが、値段も高いし、日本ではインポーターが撤退中で手に入れるのに苦労します。同じ苦労なら、作ってしまいましょう。材料は木と使っていたまな板です。まな板は新品を買ってきて妻と交渉、無事使い古しを入手しました。鯵のたたきなんか作ったまな板だから、もしかしてサメが寄ってくるかな?
 
下の写真、左が純正、右が私の制作。図面は10枚では済まないほど何枚も書き、検討を重ねて製作しました。写真ではラダーを上げている状態です。
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艇に付けると、こんな感じです。ラダー受けももちろんまな板の削り出しです。
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ステアワイヤーの付いているウイングがサンダーバード2号よろしく前進しているのは、ラダーが切れすぎないようにするためです。右ドラムに巻かれている細引きをコックピットに座ったまま引くことで、ラダーの上げ下ろしができます。ラダーはフィッシュフォームで前の方がやや膨らんだ形をしており、抵抗を最小限に抑える努力押しました。物がまな板なので、やや重くなってしまいました。本当はラダーを下げた時にドラムの後ろ側に重りを入れてしっかり下げられるようにしたいのですが、これ以上重くなっても困るので、反対側を空洞にしてみようかと考え中です。
 
これを車に積みます。
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明日が楽しみです。早起きするから、もう寝ます。