先日、会社同僚へ贈った手作りショルダーバッグですが、出来上がったバッグを見て20歳の娘が声をかけてきました。
「そのバッグ、A4の書類入る?もし入るなら、その材質、その色で欲しいんだけど。」

通学用に使いたいのだとか。多少底は浮くけど入らないことはないなあ。作るなら、幅を広めにしてA4横のサイズにすればいい。この色の帆布は在庫切れだから買ってこないといけないが、これが現在は埼玉県に行かないといけないのでちょっとハードルが高め。でも、二十歳の娘が父の手作りバッグを欲しがるなんて、普通ではまずありえない光景なのですから、ここはちょっと無理するかなあ。

前回のショルダーバッグはいくつかのYouTUBEアップ動画を参考に作ったのですが、サイズは「これくらいに物は入れる必要があるが、大きすぎると美しくない。」というサイズ感を考えて作りました。手持ちの生地の大きさによる制約もあります。今度は具体的にA4横サイズですから、それに合わせて設計します。横幅は最低300㎜は必要なのですが、木や金属ではないのでピッタリかやや小さめでも生地は柔軟なので何とか入れられるという特質を考え、ギリギリで作ることにしました。制作すると生地の厚みの分は小さくなるのですが、それくらいなら問題なく入れられるでしょう。試しにそのサイズに安全ピンやクリップなどを利用して袋を作って入れてみて、最小限度のサイズを導き出しました。その結果が下の寸法です。
図面
※上の図はペイントで描いた「お絵描き」です。縦横比は適当なのでこれを型紙にしても同じ寸法にはなりません。

前回のバッグから横寸法を20㎜増やし、マチを20㎜減らしました。これで底辺の幅は300㎜丁度です。A4の長辺は297㎜ですから、まさにギリギリサイズでしょう。女子大生が持っても違和感のないかわいいデザインを考えるとむやみに大きくはしたくないところ。

さて、デザインへ注力は蓋のRにも十分しなくては究極とは言えないでしょう。オーナーとなる娘はここの部分には全く興味を示さないのですが、究極を突き詰めるとやはり、「完全なサインカーブ」であるべきです。前回は「私の感覚で」サインカーブっぽく仕上げたわけですが、ここはPCで型紙を印刷して究極を目指すことにしました。

直角にサインカーブが接する図を拡大して印刷しました。
P5280038

これを切り取って生地の中心線に重ねて線を引きます。
P5280040

そこに10㎜の縫い代をつけます。
P5280042

不要な部分を切り取り、裏地を中表で重ねたら待ち針やクリップで固定します。
P5280043

ここからが腕の見せ所となります。その微妙なカーブに沿ってミシンを縫い進めます。ここ1か月半の間、ほぼ毎日ミシンをかけているのです。まだまだ納得できているわけではないのですが、この程度ならこなせるようになってきています。車の運転で鍛えてある、右足の微妙な踏み加減で速度をコントロールして線を外すことなく縫い上げていきます。
P5280044

究極を狙うなら、きれいなカーブができるように入れる切込みにも気を配らなくてはいけません。内側に倒した時に重ならず、且つ隙間ができないように具合を見ながら生地をカットします。
P5280045

裏表に割ってアイロンがけをします。
P5280047

表に返して縁にミシンをかけました。円の一部ではない、滑らかに変化するカーブができました。ここにずいぶん時間を費やしました。ほとんどバカですね。
P5290052

次は、本体後部のファスナーポケットを作ります。前々回の口折れリュックはペンちゃん生地が表から見えてしまいましたが、前回はそれを改善するためにもう一枚追加しました。今回は、ファスナー口が分厚くなることを避けるために返し布にペンちゃん生地をつなぐ方法を取ることにしました。

ファスナー口一周にミシンをかけ、中央の黒線部分を切断します。裏にはペンちゃんは付けていません。
P5290054

裏に返したら、しっかりとアイロンをかけます。写真では見えませんが、厚紙が入れてあり、折り返しがビシッと直線になるようにしています。
P5290055

そこへ中表でペンちゃん生地を縫い付け、表に返してさらにミシン掛けして留めます。
P5290056

ファスナーを縫い付けます。次にペンちゃん生地を返し布の上側に縫い付け、左右もミシン掛けして袋にします。

こんな感じに出来ました。
P5290057

裏から見た図です。上に返しています。
P5290058

これが正常位置。ファスナーポケットの長さは下辺が底に当たるか当たらないかギリギリのところにしました。究極を求めて現物で調整しながら返し布との接合部を調整しました。
P5290059

ファスナーを開けるともちろんペンちゃん、返し布も見えています。ファスナーの周囲がもこもこになってしまうことは回避できています。
P5290060

ショルダーベルトは前回は不要なバッグからのリユースだったのですが、それは1本しかないので今回は作ることにしました。といっても、生地を折って作るのではなくストラップを買ってきてそれで制作しました。生地の雰囲気に合う金具を使用します。糸は同系色で見えなくするのではなく、あえてオレンジ系の糸を使用してカジュアルな雰囲気を演出してみました。
P5310062

本体の裏地を作ります。この生地は口折れリュックの残りです。まだまだあるので、次の作品もおそらく内側にはこの柄が見えることでしょう。
P6010063

100円ショップオリジナルの糸は糸の出が悪くてミシンに負荷をかけてしまうことがあります。そこで、使い切った糸の芯に巻きなおして使用しました。
P6010064

前ポケットを作ったら、本体へ縫い付けます。
P6010065

生地と接着芯、裏地にそれの折り返しとかなりの厚さがありますが、それでもきれいに縫い進められるのだからやはり良いミシンはいいですよ。




P6010066

ショルダーストラップは前回は表に縫い付けたのですが、究極を目指して縫い合わせの間から出るようにしてみました。
P6010067

表に裏地を縫い付けて行きます。このミシン目がカバン口の線になるのですから、まっすぐになるように細心の注意を払います。
P6010069

縫い終わったら、返し口から表に返すのですが、究極を狙って返し口は最小限度にしたので返すのにかなり苦労しました。
P6010070

表に返したら、口の周りをミシンで縫います。いよいよ完成か!いや、まだホックがあった。中央を外しては究極にはなりませんから、慎重に位置を検討します。
P6010074

なんかできたっぽいです。
P6010076

裏地はほぼピッタリサイズにできました。
P6010072

A4サイズのレポート用紙を入れてみました。まさに、ぴったりです。
P6010078

後はチャコペンを消して、アイロンがけをすれば完成です。
P6020079

次の問題は、このバッグを持って通学するのはいつになるか、です。未だリモート授業を受けております。


にほんブログ村 アウトドアブログへ
にほんブログ村


PVアクセスランキング にほんブログ村