メインで使っているモーターサイクルヘルメットはアライのクァンタムJです。これは自動二輪免許の卒検に自分のヘルメットでなくては受けられないというルールの為に購入しました。あれからもうじき5年です。外装、内装に傷みを感じているので、思い切って新調することにしました。買ったのはこれ、OGKのエアロブレードVです。これをクァンタムJと比較してみましょう。
P9131249

同封品はこれです。ケースと説明書類、それとウインドーシャッターです。
P9131250

新旧並べてみました。サイズはアライはM、OGKはLです。Lだと少し大きいのですが、インナーキャップを被ることを考えてこのサイズにしてみました。アライはまんまる、OGKは少しスリムな感じに見えます。
P9131253

上から見た図です。OGKの方が前後に長いですね。また、突起物が少ないことが分かります。
P9131256

ヘルメット後部はR75のまん丸帽体に付加部品を付けているアライに対して、本体自体がウェイクスタビライザーと呼ぶ空力形状をしています。
P9131257

後ろから見た図です。左右逆になっていますから、ご注意を。エアロブレードVは後頭部下部にへこみがあります。クァンタムJはこの部分も見事に丸いです。
P9131259

アライSAIシステムのシールドの困った点は、このロックです。パチンと留めるのですが、無理やり入れて、無理やり出す感じでグローブをしているとなかなか開けられないことがあります。黒いつまみを前方にスライドさせるとデミストポジションになって曇り取りに有効だと謳っていますが、どちらの位置でも無理やり押し込めばロックできてしまいます。
P9131260

対して、エアロブレードVはセンターロック方式です。真ん中なので左右均等に密閉できるし、ロックボタンを押して解除すれば力いらずに、、、、。おい、結構やりにくいぞ。アライと大して変わらないじゃん。下のボタンを押しながらシールドのつまみを上げるのですが、ボタンが硬め、しかも奥へ引っ込み気味で押しにくいのです。
P9131261

クァンタムJのエアインテークはパチンと穴をふさぐタイプです。開けておいたつもりでも、脱いで再び被ると知らないうちに閉まっていることがあります。開けても風をあまり感じないのも事実ですが。また、高速走行するとこの部分の風切音がかなり大きくなります。
P9131262

エアロブレードVは真ん中の黒いポッチを前後に動かします。
P9131263

クァンタムJの後部はスライド式で、閉、半開、全開の3ポジションです。残念ながら私には、こちらもどの位置にあっても風を感じません。
P9131264

エアロブレードVは開閉機能が省かれています。閉め忘れなくてかえっていいかもしれません。
P9131266

クァンタムJのマウスシャッターは開けると口に風が直接入ってきますが、エアロブレードVは裏に穴がありません。ほとんどが上に向かって入ってくるようです。
P9131294

半開にしてみました。流路が変わるのではなく、流量の調節に使うのでしょうね。
P9131295

これで全開です。けっこうな面積が開きますね。
P9131296


クァンタムJはアライではローコストモデルですが、内装はなかなか豪華で肌触りの良い生地が使われています。かぶり心地も頭から顔を全体的に包み込むようです。ただし、私にはMサイズでは頭周囲がちょっと小さめ、頭痛がはじまるときついと感じるシーンもありました。
P9131267

チークパッドは発泡スチロールごと外す仕組みです。この発泡スチロールの形状が凝っていて、複雑な形をしています。
P9131268

もうひとつ、クァンタムJの良い所はこのチークパッドの表皮を外せるところにもあります。これなら生地の洗濯も簡単です;
P9131270

クァンタムJののスポンジは2種類の硬さの違う物が貼り合わせられています。快適と安全を追求したという気持ちが伝わってくるようです。
P9131276

対して、エアロブレードVのチークパッドはまた発泡スチロールも入っておりませんし、表皮を外すこともできず洗濯に困るでしょう。表皮の材質的にはクールマックスのようですが、肌触りはこちらも良好です。
P9131271

クァンタムJになくてエアロブレードVにあるもの。それがこのイヤーカップです。面ファスナーでくっ付いているだけなので、必要に応じて外すことが簡単にできます。
P9131272

クァンタムJの天頂部の内装です。こちらはさすがにスポンジ一体型なので、一緒に洗濯することになります。
P9131275

エアロブレードVもこの部分は付け方こそ違いますが、それほど変わりはないように感じました
P9131274



クァンタムJの、というよりはSAIシステムはこのようになっていて、シールドを交換する時には黒いレバーを引き上げてから上にシールドをパコ!と外します。付けるのは良い角度でぎゅっと入れてシールドを開け閉めすれば完了です。慣れれば簡単ですが、最初はかなりてこずりました。
P9131277

エアロブレードVはシールドを外すのも付けるのも簡単、と言うのはOGKのASAGIを持っているからでしょうか。このシールドピボットの優れた点は、ピボット部がヘルメット本体に対して浮動で、後ろ向きにバネで引っ張られているのです。前方の(写真では左)の波型を突起が越える時に、そのバネに逆らってピポットが前にずれ、谷に入ると後ろに引っ張られるのです。そして、一番下の部分ではぎゅっと後ろ向きに引っ張られ、シールドがヘルメットの縁に押し付けられるようになっています。
P9131278

これだけしっかりしたピポットシステムを持つのだから、こんなに頑丈なロック機構が必要かなあ。とっさに開けるのは結構難しいです。また、ロックする時にパチン!と結構大きな音と振動がヘルメット内に響きます。シールドラチェットの取付位置を調節すると良くなるかもしれせんけど。
P9131279

ロック
P9131299

デミストポジション。この、わずかな隙間がありがたい時がありますね。
P9131300

あごひもは喉に当たるとあまり好評でないマイクロラチェットバックルですが、このように銀の金具があごひもカバーに隠れるような位置にすると案外大丈夫なものです。
P9131293


シールドにはプレクサスコーティングをしてから、オプションのピンロックシートを付けました。付属品でいいよね、ピンロックシートは。使わない人いないでしょう?
P9131280

さて、次はインターコムの移設です。クァンタムJから外します。私はVNETPHONE V8を使用しています。

どこにマイクを設置するのか検討します。ここだと貼り付けベースが耳に当たって不快でした。あちこちに着けては内装を戻し、被りを繰り返し最適な位置を探します。スピーカーはイヤーカップを外すした窪みがまさにその位置、大きさ双方とも最適でした。
P9131281

下側の方が良いようです。この後、ケーブルやコネクターの位置を調節して脱ぎ被りする時に邪魔にならない位置にしました。
P9131287

問題はここだなあ。どうやってベースを付けるか。
P9131283

ここに隙間があるにはあるけど、エアアウトレットの部分は軟樹脂でできていて被る時に配慮しているという事ですが、インカムつけるには厄介です。
P9131284

配線もやりやすくはないなあ。この穴通してから内装を戻しました。
P9131285

いや、この手があるぞ。柔らかい部分を越えてクランプする金具を作っちゃえばいいのさ。と言うより、じつはクァンタムJで受かっていたまま移設したらおあつらえ向きだっただけですけどね。
P9131286

次は、ウインドーシャッターを付けてみましょう。両端から中央にかけて隙間に押し込むのだそうですが、これが案外てこずりました。縁のゴムをめくってその中に押し込むのですが、ゴムが硬ければ隙間も極小とかなり時間がかかりました。
P9131288

平らになるまで押し込みます。ここまでできてもまだ完全に押し込むのに骨が折れます。
P9131291

やっとできた!もう外す気がしなくなりました。クァンタムJにはなかった装備なので、喉元まで隠れるこの装備は楽しみです。
P9131292

早速ひとっ走りしてきました。その感想は、また今度。
P9131302