たった48kmのサイクリングの記録が3日にわたって続くというだらだら文章、もう少しお付き合いください。天候が悪かったので写真も少ないです。
2013年9月15日、続き
塩野室で左折、ゴルフ場前の緩い登りを超えると、広域農道へ入ります。この道は幅も広く、舗装も綺麗で走りやすいのですが、この辺りで一段と雨が強くなってきました。道の左右は川のように水が流れて行きます。
サングラスは水弾きの良いスワンズ双ですから視界は不満なく、ヘルメットの下には簡易レインキャップ(レジ袋ともいう)をかぶっているのでそれほど嫌な気分にはなりません。他はいくら濡れても、寒くなければいいのですが、頭が濡れるとどういうわけか憂鬱な気分になってしまいます。
途中、手を振って応援してくださる方がいらっしゃるので、こちらも手を振りますが、手を上げると袖口から水が入ってきます。これが冷たいのです。顎から滴る水が合羽の中にタチタチと入ってきます。しかし背中は蒸れてきていますので、本当はファスナーもっと開きたいくらいです。
大谷川を渡ると、「かたくりの湯」の看板がありました。早く温泉入ってさっぱりしたいなあ。いや、ここでリタイアして、誰か一人が車取りに行くという作戦もあるな。温泉入ってから、ビールを飲んで車の到着待ち。しかし、それを口にするのは今日は自殺行為、パシリは私以外ありえません。
R461へ出ました。交通量は少ないのでこの道も走りやすいですね。なかなかいいコースを設定してあります。ずいぶんいろいろ走り回って安全快適な道を選択しているのでしょう。雨の中の立哨も楽ではないはずです。参加費はそれを考えれば安いくらいです。でもなあ、48㎞と100㎞ではエントリーの値段が違うんだぞ。
大桑でR121へ入ります。ご存じ観光バスの回廊です。路肩に水がたまっていると走りにくいかな、と思っていましたが、そんなこともなく、また、たまたまこの辺りでは雨は強くありませんでした。そしてわずかな距離で栗原、ここからまた広域農道、交通量の少ない道です。なぜかこの道を行く観光バスがありましたが、それも一台だけ。後はめったに車が通りません。
そのうちに傾斜が急になってきました。ギアを落としてゆっくり登って行きます。こうなると体は濡れていますが、やはり暑くて蒸れてきます。御大は膝が悪いので、こういう場面では気を使います。
坂を上りきったところで待っていると、御大と義兄様が到着、それではと走りだすと、あれ、来ない?
ああ、義兄様、自然に呼ばれたようです。それなら私も隣で小用を。御大も続きました。後続の方も同じ用事で立ち寄りました。
ここからはもう4、5㎞で次のエイドステーションでしょう。ゆっくり行っても15分もかかりません。
小百橋手前で左に誘導され、エイドステーションです。ここは本来、100㎞コースの人は来ないはずのところです。悪天候によるコース統合で、すべての参加者が殺到しているのでものすごいことになっています。ここでは手打ちそばが食べられます。その順番待ちの最後尾に並びます。いったいどれくらい待てば食べられるのか、見当もつきません。蛇のようにうねった列は長くなる一方で、私たちの後ろに次々とサイクリストが並んでいきます。
とにかくまずは雨の避けられる、テントの下まで入りたいですね。10分以上かかって、ようやくテントの下。そこで補給食をいただきながら、蕎麦を待ちます。
ん、「うなむす」がある!これは100㎞コース専用のエイドステーションにあるはずの物です。78㎞コースの御大と義兄様の前で食べるのは気が引けますが、これは仕方がありません。何しろこちらはより高い参加費を払っているのです。きっとゼッケンの色が赤いことを確認して配っているのでしょう。お腹すいてきたなあ。
むむむ、なんてこった!全員に配っている!そして一人一個だって!!!うなぎは国産の表示付き。御大、私に感謝して食べて下さいね。うなむす、うまいなあ。
テントに入ってからがまた並びます。止まっていると寒くなってきます。蕎麦は暖かいのを食べたいくらいです。
結局列には40分ほど並び、ようやく蕎麦にたどり着きました。完全手打ちだそうで、のどごし、歯ごたえ、香りと申し分のない美味しい蕎麦でした。蕎麦打ち、俺ももっと精進しなければ。
暖かい茶を飲み、出発です。かれこれ50分は足止め休憩したでしょうか。ここからは登りが待っているはずです。2人に声をかけます。
「ここからガツンと登りますから、気合入れて行きましょう。」
「ガツンなんていうなよ。心が折れるよ。」
「それでは、ふわっと登ってきましょう。」
言い換えても斜度も距離も変わりませんけどね。
短い登りを2つほど越えると、上が見えてきます。義兄様、
「あの一番低いところが峠だろうな、登りはあそこまでだ。」
登りの苦手な御大はあーという声を上げていました。
いくつかの短い登りを越えると、いよいよ本格的に峠道です。斜度も結構きつく、じっくり登って行きます。いつしか雨も弱くなってきています。数人の参加者に追い越されますが、他の人も結構辛そうです。
ようやく峠が見えてきました。一度登ってから折り返し、御大の所まで戻ります。その上が峠ですよ、もうちょっとだから頑張ってください。
峠からは下りです。腰を引いてブレーキを当てっぱなしでリムの水滴を飛ばしながら下っていると、右から御大が抜いていきます。
「下りは任せろ!」
「気をつけてくださいね。」
実はこの人、8月に自転車でフロントブレーキをロックさせ、前転して顔面着地しているのです。大丈夫かなあ。
気持ちよくワインディングを下り、大谷向で市街部へ出ました。ここまで来ると、帰ってきたなあ、という気になってきます。ここから霧降大橋までは緩い登りです。参加者の集団ができてきて、後ろを振り返りながら走っていましたが、やがて御大一家とは離れてしまいました。雨はまだ降っています。ゴールしてからまた登って駐車場では御大は気持ちが切れてしまうかもしれません。ここは先に行って車の回送をするのがアシストの勤めでしょう。
一度停車して二人の到着を待ち、そのことを伝えて、ペースを上げて走ります。バンバン前走者を抜き去り、あっという間に霧降大橋です。ここの右から、本当は帰ってくるはずでした。残念、また来年だな。
あとは橋を渡ってからゆるーく下ると、ついにゴールです。ゴールゲートを抜け、MCの「お帰りなさーい」という放送に手を振って応えます。それから完走証と参加賞をいただきました。参加賞はビニール製の袋ですので、完走証もその中に入れて口を結わえて防水にして背負いました。雨脚は弱くなってきましたが、濡らしたくないですからね。参加賞は100㎞完走になっています。実質、ここの数字の違いだけが値段の違いです。
さて、車を取りに行かなくては。またロードバイクにまたがり、雨の中を走ります。道路に出て直ぐ、金のクロモリアンカーと赤いコルナゴが目に留まりました。御大と義兄様です。手を振ってすれ違います。意外なほど差がつかなかったなあ。ちょと待たせてしまうなあ。
車に戻ったら、まず着替えです。体は濡れていないところは全くなく、びっしょりです。このままでは風邪を引きそう。着替え終わったら自転車を積み込み、会場へ向かいます。道路は戻ってくる参加者が列になって走っています。。雨の中、本当に多くの人が頑張っていたのですね。
駐車場に戻るころ、雨は止んでいました。空も明るく、気持ちよく後片付けができました。そして、向かうは宿泊したホテル、温泉に入って帰りましょう。
正嗣で焼き餃子、水餃子を食べた後、高速の上。心地よい疲労感で楽しかった今日を反芻しながら帰りました。
浦和に近くなってきたところから空が真っ暗になり、またどしゃ降りになってしまいました。そして外環道の上から竜巻の赤ちゃん発見。何とかそのまま立ち消えましたが、いつまた竜巻が発生してもおかしくない雰囲気です。
わずか10㎞しか走らない外環ですが、途中からあれだけ振っていた雨が止んで道路も乾いています。車から降ろす時には晴れ間も見えていて、楽しく終わることができました。
義兄様にはたくさんの魚の味噌漬けを戴きました。今日の朝食もそれを頂きました。御大の奥様からはバナナシフォンケーキを頂きました。一日経ってからの方が美味しいと言われましたが、うちの育ち盛りにはそんな話は全く通用せず、その日の夕食後には消えてしまいました。
参加賞は協賛企業の日清の製品と、Tシャツでした。
こちらが前夜祭で当選したTシャツと、最高速チャレンジでいただいたガールズ競輪タオルです。
天候は良くありませんでしたが、楽しい休日を過ごせました。ご一緒させていただいた御大、御大義兄様、ありがとうございました。
義兄様はホノルルセンチュリーライド(160km)の準備を始めていることでしょう。休みが取れて、お金を出しても怒られないなら参加したいですね。義兄様は奥様も一緒だそうです。妻に言ってみようかな。
ツールド日光も迫っているようで、うちとは「○○暇無し」の○○の2字が違いますから喜ばしいことです。