普段使いにロードバイクを使用してる息子。しかしかなり持て余し気味。空気を頻繁に入れるのも、駅に停めておくのも、そもそも家の前に放置するのも大変気を遣うというのです。まあそりゃそうだ。

先日私が彼の家で隔離生活を送っていた時に、私が使っていた14インチ折りたたみ自転車を見ていいな、それ、欲しいな、と言っていたのですが、さすがにこれはあげられません。ケチで言うのではなく、乗り方と操作に癖のあるバイクだからです。BSトランジットスーパーライトなのですが、車輪径が小さく段差に弱く、小径過ぎて空気を入れるのも一苦労、ステムの折り畳み部は強度に不安がありハンドルを引くような乗り方ができません。シングルギアだから登りや向かい風で立ち漕ぎしたくなりますが、ステムがそんな状態なのでなかなかに大変なのです。

じゃあさ、買っちゃえば。ネット通販でいいよ、納車整備は俺がしてやるからさ。一昨日納品されたと連絡があり、引き取りに行きました。
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開梱します。非常に丁寧に養生されていました。
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早速組み立ててみます。今日は空組み(からくみ、ただ組むだけ)です。とりあえず検品をして不良個所、不足部品が無いことを確認しないといけないからです。
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部品箱を開けてビックリ、右ペダルしか入っていない!その他2本のアーレンキーレンチ、ハブスパナ(ペダル取付用に入れてあると思われます。)、#2プラスドライバー、ハブナットキャップが入っていました。
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このペダル、驚いたことにクイル型で片面ペダルなのです。トゥクリップ、トゥストラップを使うことが前提のような構造で、けがえしやストラップを通す穴、クリップを付ける穴が開いています。しかも踏面は交換式で本体にはネジで固定されています。ただし、本格的なペダルかというと品質的にはそこまでではなく、ベアリングにゴリゴリ感があるのは残念です。それと折り畳み機構はついていません。
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左ペダルは、ああ、最初からクランクについていましたね。納得です。それでは結束バンドを外していきましょう。普通はニッパーでカットするでしょうが、この長さの結束バンドはストックしておきたいので切断せずに千枚通しでノッチを開いて抜き取りました。
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長いの7本、短いの3本をストックできます。要するにすべての結束バンドを切らずに抜き取りました。ケチ?いやいや、持続可能な社会を目指しているわけです。
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ペダルを取り付け、空気を入れたら空組み完成です。
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細部を見ていきましょう。フレーム色はマットブラックで、そこに黄色い部品を組み込んでいます。遠目にはかなり目立ちますね。
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クランクはアルミ、チェーンリングガードは左右にあり、裾汚れ予防だけでなくチェーン落ち予防にも効果がありそうです。クランクセットに高級感は感じられませんが、値段を考えればかなり良い方かもしれません。また、全体のデザインを崩さない塗装が施されている所は好感が持てます。
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BB周辺はなかなか凝った構造になっています。チェーンステーレス構造なのですが、メインフレームから伸びたステーで3角を形成し、後部は1本のステーをブリッジに向けて配置して3角を形成しています。折りたたんだ時のことも考慮したワイヤーガイドが溶接されています。
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溶接部です。TIG溶接で作られているようです。
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メインフレームの折り畳み部です。なかなかよくできていて、エキセントリックカムのクイックレバーで固定する以外に、それが付いているシャフトが閂としても作用する二重の安全構造になっています。開く時にはクイックレバーを上にスライドさせて閂を抜かなければなりませんが、組み立てる時には閂は自動ではまるようになっています。
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このようにシャフトを上にずらして閂を外します。
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ステムも同じような仕組みですが、こちらは組み立てる時にもシャフトをずらす必要があります。どちらもクイックレバーをしっかり締めれば剛性は十分、ガタツキは感じられませんでした。ヘッドはスレッド式です。
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ワイヤリングは私好みではないなあ。左前ブレーキにしたい(息子のロードも左前、右後ろブレーキになっている)し、前ブレーキのアウターはちょっと長すぎる気がします。
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ハンドルバーです。ステム一体型で角度の調節や交換などはできません。幅はちょい広めかな?15㎜程カットすると良いかも。
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スタンドはなんとも頼りない感じですね。また、ピポット部はプレスの波型プレートにスタンドのポールが摺動して使用、不使用時の位置に固定するようになっていますが、ここはグリスを常に差しておかないと嫌な音が出たり摩耗してしまったりすることでしょう。値段的にこれが限界だったかな?ただ、装着は専用のブラケットがフレームに溶接されていたりと案外立派なつくりになっています。
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運搬用の円盤が付いていますが、外してもただのハブナットしか出てきません。ダホンなどはマグネットで折りたたんだ時に前輪アクスルを固定する仕組みが付いていたりするのでそこは残念ですね。何か工夫するか。
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サドルは肉厚の物が付いています。シートピラーはただの棒で、菊座で固定する仕組みです。ここもコストとの兼ね合いでしょうね。径は30.4㎜とやや特殊な部類ですが、手に入らない事でもなさそうです。

さて、折りたたんでみましょう。まずはシートピラーを一番下まで下げます。シートクランプは開放すればすとんと落ちるし、エキセントリックカムクイックを締めればぴたりと止まります。個人的にはシートチューブとピラーのはめ合いはもう少しきつめでも良いかな?
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ブレましたが、ステムをたたみます。
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左ペダルを前にして、メインフレームを開きます。
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前輪と後輪が固定できないのでストラップで前後ホイールをつないでおく方がいいかも。
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たたんだ状態で上から見た図です。トランジットスーパーライトはハンドルの折り畳みが逆で、前後輪の間にステムが来るのですが、このバイクは外側にきます。よって、やや幅が出ます。そのため折り畳みできないペダルですが。飛び出ないという利点もあります。
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でも右は飛び出るんですよね。やっぱり折りたたみペダルにした方がよさそうです。
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空気を入れ、ディレイラーの調整をして、ブレーキの具合を確認したら近所をぐるっと回ってみました。シートピラーの長さは私には十分で、標準的なサドル高を得られます。ステムは長さ調節ができませんが、かなり長めで、しかもハンドル位置が近めなので乗車姿勢はかなり起き気味になります。そのせいもあり、小径車ということもあり、コーナーでやや癖を感じます。狙ったラインを遠くから棒の先でトレースするような感覚があります。違う表現をするなら重心の低いバイクを高い所から操作しているような感じです。まっすぐに走る分にはかかりもよく、気持ちよく走ってくれます。

弟のダホンスピードと比較するとやはり部品グレードや細かい所の工夫、乗り味の癖のなさなどを考えるとずいぶんと差があるのも事実ですが、半額以下という値段を考え、また自分好みにチューンするならばこれも十分ありだと思いました。

ところで、これに限らず通販サイトで自転車の所を見ていると驚くのが購入者のレヴューです。
「チェーンとギアのかみ合わせが悪い。チェーンが外れる。」
「ブレーキが鳴く、片効きしている。」
中にはタイヤに空気がちょっとしか入っていなかったという物まであってびっくりです。

自転車は7分組で箱詰めされて出荷され、販売店で整備してから販売される商品なのですから、整備技術、工具を持たない人は通販で買うべきではないと思うのです。街の自転車屋で買うと高いように感じるかもしれませんが、組みあがっていた部分でも一度ばらして給油、点検、ホイールの振れ取り、変速の調整などをしてから購入者へ引き渡すのですから、工賃を考えると大変にお買い得だと思います。通販で購入後自転車店へ持ち込む人もいるようですが、嫌がれることもあるしやってくれる店でもかなりの工賃を要求されることでしょう。

次回、このバイクの整備と引き渡しを記します。(当直明けでやるので疲労の程度によっては違うネタになる場合もアリです。)

今回の記事のバイクはこちら。マットブラック/イエロー


マットブラック/レッドもあります


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