一眼レフで写真を撮ろう 第1回

§1 いい写真の条件とは?

いい写真てなんでしょう?私が思うその条件の順位は下記の通りです。

第1位 対象物が写っていること

当たり前ですが、写っていなければいいも悪いもないのです。例えば、今だと咲いている桜の写真を撮るならば、いい写真では必ず「桜の花」が写っているはずです。例外的にわざと写り込まないようにして状況を感じさせることもありますが、あくまでも例外です。写真の一番の難しさは実はここで、その時その場で写したいものにレンズを向けて、なおかつシャッターを切らなければ写すことができないのです。絵なら後からでもどうにかなるものですが、今日はまだ咲いていない、来週末には散ってしまっている、ウイークデーは仕事、という状況ではもうあきらめるしかないのです。

桜を例にとりましたが、写すことが極めて難しい物が世の中にはあります。例えば戦場における最前線の写真。これはその時その場にいること自体が難しく、なおかつ戦闘行為にレンズを向けて行かなければならないので塹壕や地下に隠れていては撮影できないのです。ジャーナリストの命がけの行為のおかげで何が行われているのかを世界の人は知ることができます。

物騒な話ばかりではありません。UFOだって、ピントや露出に難があってもとにかく写っていれば、写っていない写真よりずっと「いい写真」でしょう。露出やピントなどが精密に合っていても写っていなければただの空の写真です。
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ダメ写真の例。せっかくの大井川鉄道井川線なのに、列車が入線していない!
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1位がクリアされてようやく2位に進めます。

第2位 ブレが無くピントが出ていること

作品によっては例外はありますが、基本的には対象物にピントが出ていないようではなかなか何を写したのかが伝わりにくくなります。現在のカメラはかなり精度の良いオートフォーカスなのでとりあえず写せばこれは案外簡単にクリアできそうです。ブレに関してはピンボケと同じで対象物が認識できなくなったりしますが、これもわざとぶれを使ってスピードを表現したりするやり方もありますので必ずしもぶれていなければよいという事でもありません。

第3位 露出が合っていること

ピントよりも順位が後になるのは、後の作業でどうにかできないこともないからです。光の多すぎる白飛び、少なすぎる黒つぶれなども銀塩フィルムなら紙焼きの時に、デジタルデータならソフトウェアで修正が効く範囲もあります。

第4位 構図が良い

ここでようやく芸術写真らしい話になりました。ただ、良い悪いは感性の話なのでここでは基本だけ触れることにします。

§1のまとめ

いい写真を撮る上で大切なのは、とにかく「写っていること」です。ファインダーをのぞいて、あるいはライブビューで確認して、被写体が入る様に写してください。後は自動で何とかしてくれるのが現代の写真です。

§2 一眼レフの構え方

とにかく写真が撮れればいいので、どんな構え方をしてもいいのですが、一応基本があります。

左手の掌にカメラ本体を乗せ、左手の親指と人差し指でレンズの環を操作します。レンズにある回転させる環で絞りやピント、ズームレンズでは焦点距離の変更ができます。あるものとないものがありますが、無い場合でも手で添えているとブレの予防になることが多いです。
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ファインダーを覗きます。私は眼は左利きなので、左目でファインダーを覗きます。利き目で覗くと良いようです。本当は右目で覗いて左目で周囲を確認するという方法をフィールドフォトグラファーは使うようですが、私はできません。左腕の肘は体に付けてここでもブレの予防をします。
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望遠レンズなど、重たくて長いレンズの場合は左掌はレンズだけを保持します。持った時のバランスで、前が重くて下を向くようでは被写体に向けるのが困難になるし、カメラのレンズマウントに大きな負荷をかけてしまうからです。
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右手はグリップを素直に握ります。人差し指の指の腹でシャッターボタンをそっと押します。軽く押して半押しの段を感じながら押してください。強く押すとぶれる可能性が高くなり、また半押しでオートフォーカスを駆動して全押しでシャッターを切るという2段階動作がやりにくくなります。
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縦位置の場合はシャッターが上になっても下になっても構いませんが、シャッターボタンが上に来るようにして本体を左手の掌でホールドするとやりやすいかもしれません。それぞれのカメラの大きさや手の大きさがあるのでやりやすい方法で良いと思います。


§3露出関係(ちょっとだけ難しいです)

説明は分かりやすいように銀塩フィルムで行いますが、デジカメの受光素子に置き換えても同じことです。

露出が合っているとは、「白飛びせず、黒つぶれしていない丁度良い写り方をしていること」を意味します。光の量は一定ではないので、撮影する物に合わせて露出を調節しなくてはいけません。もちろん、これは現代のカメラでは自動で行われますが、ここに手を加えることで自分の思うような写真が撮れるようになるのです。

調節の仕方は4つあります。

1シャッター速度を変更する
2レンズの絞りを調節する
3感度の違うフィルムに交換する
4フィルターを使用して光を減衰させる

4は特殊な例なので、今回は省きます。

まずはシャッター速度から。1/60秒で撮影したところ白飛びしたとしたら、光の量を減らせばいいのだから速度を上げてやればいいことになります。1段速度を速めると光の量がおよそ半分になるようになっています。というと1/120秒ということになるのですが、これだとその倍の速度は1/240、さらに倍の速度が1/280とわかりにくくなってしまうので、1/125とします。するとその上が1/250とキリが良くなり、さらに上がっても1/500、1/1000、1/2000、1/4000となります。

逆に、1/60秒で黒つぶれしたら、シャッター速度を遅くします。こちらも1段遅くすると光の量が倍になるようになっています。遅い方に向かって1/30秒、1/15秒、次は割り切れないので近似値の1/8秒、1/4秒、1/2秒、1秒、2秒、となっています。

シャッター速度を変えると光の量を変えるだけでなく、写り方も変えることができます。速ければ動いている物を止める効果が、遅ければブレになる効果が期待できます。

速いシャッター速度で動きを止めた写真の例
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ブラして走行していることを表現した写真の例
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スローシャッターで滝の流れを表現
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次はレンズの絞りの調節について。光の量はシャッター速度を変えずに絞りで調節することもできます。レンズに入ってくる光とレンズから出ていく(=フィルムに届く)光が同じならばf1と表現します。で、これを半分にするには絞りを1段絞ることになります。1段絞るとf1.4になります。なんで半端な数字?そう、F値の計算はちょっとややこしいので興味がある人だけ調べていただければいいことなのでここでは簡単に。F値は「1÷直径の値で面積を表現」するのでF値の2乗した値が実際の分母となります。1が半分になるのは1/2なので、この2になる平方根は√2だからヒトヨヒトヨニヒトミゴロなので近似値の1.4と思えば大体あっている感じでしょうか。難しいと思ったら以上は読み飛ばしても全く支障はありません。

光の量を半分にする=1段絞ると覚えておけば大丈夫です。1.4、2、2.8、4、8、11、16、22、32、となっていて、数字が一段大きくなると光の量が半分に減っていきます。この数字も覚えなくても大丈夫、カメラやレンズにそのように書いてあります。

絞りにはもう一つ効果があって、「絞るとピントの合う範囲が深くなる」という特徴があります。前から後ろまでばっちりピントを合わせたい時には深く絞ればいいのです。

乗っているカヤックから遠景までピントが出ている例(ただし、レンズに水滴がついててぼやけています)
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また、後ろをぼかして前景だけ誇張したい時には絞りを開けばいいのです。
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それでは3つ目の調節方法を解説します。それはフィルムの感度を変えることです。ISO100というフィルムを使っていてシャッター速度が低くなりすぎる時など、倍の感度にしたい時にはISO200にすればよいのです。さらにもう一段早くするにはISO400、さらに800、1600と高感度になってきます。ただし、高感度になるほど一般的に画質が悪くなっていき、ざらついたよう絵になっていきます。デジカメの場合便利なことにフィルムを入れ替えなくてもISO感度を変更することができます。

さあ、いよいよこのセクションの肝に入ります。

例えば、青天の野外で撮影しようとカメラを構えました。その時、
ISO100のフィルムの入ったカメラで、シャッター速度1/60秒、絞りf8で適正の露出だとします。(カメラが自動でセットしてくれます)花を大きく撮ってバックをぼかしたいと思ったら、絞りを開けばいいので2段開きます。するとF値は2.8になります。そのままでは光の量が多すぎてしまうので、その分シャッター速度を上げる必要があります。絞りを2段開くと光の量は4倍(2倍の2倍)になるので、シャッター速度は2段速く(光の量は1/4)します。すると1/250秒ということになります。

カメラのプログラムと同じ光量にすることができるので白飛びも黒つぶれにもならず、しかも作者の思うような絵作りができる、とこういう訳なのです。もし、深く絞りたい、シャッター速度も遅くしたくない、という時にはフィルム感度を上げればよく、一段絞れば感度を一段上げてシャッター速度はそのままにすればOKです。

もうひとつ、ラティチュードという物があります。現代のフィルムはとても優秀で、ちょっとくらい露出がずれていても普通に撮影できてしまうのです。その幅を示す尺度がラティチュードで、特にカラーネガフィルムは大変に深く2段絞っても映像にはほぼ影響が出ないくらいの実力があります。写ルンですというレンズ付きフィルムがありますが、あれはシャッター速度も絞りも固定ですが青天の野外ならどこでも普通に写せてしまいます。それはラティチュードが大変に深いフィルムと使っているからです。デジカメではそこまで深くはないのですが、それでもあまり気にしなくても大丈夫と言うことも覚えておいて損はないと思います。また、先ほども記しましたが、少々なら後から補正することもできます。

次回(最終回)予告

§4レンズの種類 標準レンズと望遠レンズと広角レンズの効果と使い分けと特殊レンズ

§5アングルと構図

§6ストロボ







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