インクジェットプリンタが故障しているので、ばらしてみませんか修理をしたいのでお手伝いをお願いいたしますという、何とも魅力的なお誘いを受けてのこのことやってきました、山のmochi邸へ。
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その前に、お断り
ケースを開ける行為は、専門の教育を受けた技術者のみに許されている行為で、今回私たちの行っていることはメーカーの推奨していない行為になります。また、方法手順も手探りで求めたものでマニュアルとの相違点があると私自身が感じています。よって、感電、怪我、故障、火災などの恐れがありますので、絶対にやらないようにお願いいたします。私たちは自己責任において行っています。このブログを参考にされた方が作業して、何かしらのトラブルが発生したとしても(おそらくすることでしょう)一切の責任を負いません。ご了承の上、それでも読みたい方だけどうぞお読みください。
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今回バラすのは、いや、もとい、修理するのはこれです。EPSONPM-G4500です。

印刷すると黒と黄色に印字されない部分ができてしまうという事です。その場合普通はヘッドクリーニングを数回するとほとんどの場合直るのですが、何回やっても一向に症状が改善されないとのこと。山のmochiさんの推量では、ヘッドにゴミか乾燥したインクが詰まっているのではないか、ということですので、ヘッドのインクを飛ばす部分にアクセスできるようにするのがまず第一段階です。
まずはよく観察します。整備マニュアルはもちろん手元にないので、勘を最大限に活用することになりそうです。

表側の化粧パネルを外せそうです。ネジを探し、一本一本外していきます。
いや、サイドパネルは別体ですね。左右のこれを外してしまいましょう。矢印のある穴があるので、そこへマイナスドライバーを突っ込んでフックを外します。

手前に引き、さらに上や後ろに引っ張ると外れました。やはり、ここへ化粧パネルのネジが隠されていました。

どんどんネジを外していきます。

違う種類のネジが出てきた時には、写真を撮っておきます。

さあ、開きましたよ。

開いたはいいのですが、この先もどう進めたらよいのか皆目見当がつきません。

ヘッドが左右に動くためのシャフトを上に持ち上げられれば何とかアクセスできそうです。それなら、ここのCリングを外して抜き取ってみましょう。

焼き鳥のくしみたいなピンを抜く前に、メモ代わりに一枚。

ヘッドはこのガイドにも当たってあげられません。これも外しましょう。

いや、駆動モーターが当たってしまうぞ。これも取りましょう。あれ、ヘッドが邪魔でアクセスできないぞ。手では動かすこともできないし、かといってヘッドの位置決めを変えてしまうわけにもいかないから、(どうやって位置決めしているのかもわかっていない私たち)一旦シャフトやギア、カムなどを戻して電源を入れてヘッドの位置を動かしましょう。
ほらほら、こうすれば駆動モーターを外すことができますよ。

左側のカムやクリップなどを抜き、それでもどうしても抜けないので最後の手段、シャシーをゆがませて力技でシャフトを外しました。すると、ようやくヘッドのインクを飛ばす面を目にすることができました。

インクジェットプリンタのヘッドを私は初めて見ます。鏡のように見えますが、縦にごくごく小さい穴が並んでいるのが観察できました。

拡大してみました。

ティッシュを当てて、毛細管現象を使ってインクを染み出させ、ノズルのつまりを確認します。左側にブラックとイエローがありますが、どうやらシアン、マゼンダなどと同様な出方に見えます。これ、本当につまっているのかなあ。濡れティッシュで数回浸して水分を吸い取る作業を繰り返しました。

なんとなくではありますが、大丈夫そうな感触があったので再組立てをします。バネのかけ方やカムの裏表などは撮影しながらばらしているので、それを見ながら組み立てたので万全だと思うのですが、どうでしょうか。

組立が完了したら、PCとつないでユーティリティでヘッドクリーニングを実施します。え、インク無いの?それじゃあ、まずはインクタンクの交換からですね。

ヘッドクリーニングが終了したら、いよいよ印刷します。テストパターンを印刷しました。さて、結果は?
残念、やはりイエローとブラックの上の部分に印刷されない所が出てしまいました。改善は無しでしたが、構造は分かってきたし、開発した人の気持ちに触れられて楽しい時間でした。

昼食を食べたら午後は江戸川堤でインラインローラースケートで滑走しました。北風に乗って豪快に!往きは辛いものがありましたが。

見た目には楽そうに見えるローラースケートですが、実は大変な運動量を要求されるのです。トリックスラロームの練習などをして、小1時間で大汗をかいてしまいました。17時に土手の入り口は閉鎖されますが、疲労したのでその1時間も前にギブアップ、帰ることにしました。

もしかすると直るかなと思い、三毛ジャバーさんに治して頂けるなら儲けもの!、でしたが、部品の交換が必要でしたね。
それでは新品を買ってしまう方が合理的で、お手間を頂きましたが結果は残念でした。10年も使った旧式マシン、捨てる前に「もしかするとと、」無理なお願いでしたが、交換が必要なプリンタの核心部分の構造と原因が分り、とても勉強になりました。埃でもひっかかったのかと単純に思い込んでいたのでした。
いやー、本当に残念でした。でも、いろいろなことが分かって楽しかったですね。右側のカムを駆動するのにヘッドのレールをシャフトとして兼用しているなんて、すごい発想だと思いました。これを考えついた人は、「こうすればできる!」と大いに盛り上がったことでしょう。
また何かこの手の物がありましたら、ぜひお呼び下さい。