以前ブログに書いたように、NaturehikeのTagar1を購入しました。

今回の山行で使用しましたが、使ってみて分かった良い点、悪い点などをまとめたいと思います。

初めにお断りしておきますが、あくまでも個人の感想であり、私が遭遇した天候下においての使用であり、私の買った製品の特長です。遭遇する天候の違いや製品のばらつきや仕様違いなどの可能性もあることですし、記事をうのみにせず自己判断で使用してください。特に山岳地帯での使用は生命にかかわる可能性もありますので、すべて個人の責任において使用可否をご判断ください。販売者でもないことですし、いかなる苦情も受け付けませんので、そこをご理解の上お読みいただきたいと思います。

買った時に見た様子はこちらをご覧ください。



さて、今回3泊山中で使用しました。まずは初めて山岳で建てた時の感想から。場所は南アルプス横窪沢小屋テン場です。

一式をザックから出します。
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割と滑る素材なので、出し入れは比較的スムーズです。袋の大きさも適当で、がばがばでも機付きつでもない丁度良い感じです。ポールを仕舞えるのは良いのですが、長すぎるかな?ザックの中では縦方向に圧縮してしまっていました。生地のためにはあまりよろしくないかもしれません。ザックに合わせた袋を用意してもよいかな?
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フットプリントを広げてみます。裏表があり四隅にぺグループが付いています。これが付属しているのは良心的だと思います。サイズと形的には他社の同寸法の物も使えると思います。
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フットプリントの上に本体を広げます。入り口は長辺片側なので、向きを確認して広げます。ファスナーがある方がもちろん入り口になります。
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ポールを伸ばします。長短2本ありますが、よくできているなと感心するのは折りたたんだ寸法が二本ともほぼ同じで、しかも長いポールも含め使用している1本1本がすべてが同寸法な所です。端だけ短かったりすることも多いのですが、それだとしまう時にぴょこっと出てきてしまったりする時もあるので、大した違いではないかもしれませんが褒めてよいポイントでしょう。

ちなみに、クロスポールは375㎜×2本、メインポールは385㎜×10本です。挿入部分は35㎜です。
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メインポールを差しました。このように、頂点部分で一回スリーブから出てもう一度入れなければなりません。連続スリーブが一般化している現在においては珍しい部類でしょう。
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モノポールなので、ポールを入れただけでは自立しません。ペグダウンします。
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4角をペグダウンするとしっかりと自立します。頂点部分のフックをかけます。次は、クロスポールを入れます。メインポールの上に乗せて天幕のフックにかけます。ポールの先端はマッシュルーム加工されているので不用意に外れにくく、やりやすくできています。
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フライに当たる部分をペグダウンします。これで前室、後室もできます。
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ベンチレーターの棒を立てます。閉じた時にはふらふらしないように面ファスナーがあります。
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正面です。こちらはファスナーがあるので、閉じた状態でペグを打ちます。
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ガイラインをセットします。スライダーはなかなか軽量で小さく、それでいて確実な固定が出来て案外使いやすかったです。
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4本のガイラインと、さらにメインポールの刺さっている部分をペグダウンすれば完成です。メインポールの刺さっているところは引っ張り過ぎると四角のペグに負担をかけたり床の中央縦に弛みを作ったりするのでほどほどで良いと思います。縦の弛みはモノポールシェルターの構造的な問題で、モンベルのでも発生していました。
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なかなかきれいに張れたのではないでしょうか?
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フライをめくってみました。めくったフライを留めるおしゃぶりの位置も適切で、輪も程よい大きさでした。なおかつそこに再帰反射材が貼られているというぜいたくなものです。
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さあ、室内へ入りましょう。
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本来六角形なのですが、バスタブの頂点部分は四角になっていて、ポールの刺さっている部分からストラップで引っ張られています。
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反対側は頭が来ることを想定しているのでしょう、メッシュポケットが付いていました。サイズも大きめで実用になりました。
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銀マットを敷きました。1m幅のマットですが、自宅で880㎜幅に切ってきました。それでも少し幅は余ってしまいました。やはり90㎝の床でも、中央にしわができる分実際の幅は狭くなってしまうようです。
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さあ昼寝しますか。
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アマチュア無線を傍受しながら一休み。単独での使用なら余裕があります。それと使ってみて気に入ったのが、結露するシングルウォール部分は荷物や体に触れないところだけ、端まで寄せても大丈夫な所です。モンベルのブリーズドライテックモノポールシェルターヘキサでは壁に触らないように気を使わなければなりませんでした。
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やがて、夕立になりました。遠雷も聞こえます。大粒の雨がテントに襲い掛かってきました。防水は不安なく、雨漏りは縫い目のどこからもありませんでした。ただし、これはシングルウォールテントならではなのですが、結露した水分が雨の当たる衝撃で霧状にテント内に降ってきます。結露した部分をタオルで拭きとり、寝袋はシュラフカバーをかけ、それ以外の荷物もドライザックへしまうなどの処置が必要になりました。
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もう一つ、生地の防水性能は十分なのですが、撥水性にかけている面があり、流れずに張り付いてしまう感じがします。特に頂点部分は傾斜がゆるいのでいつまでも雨水が残る感じがします。
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夕立は去り、谷に再び日が差してきました。夕食を作ります。
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撥水性の低さはこんな感じに見て取れます。これだけ傾いているのにしつこく雨が張り付いています。
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2日目、聖平での幕営。酔っぱらいの騒音以外とても快適な幕営が出来ました。夕刻雨が降りましたが、それほどひどくはありませんでした。朝は撤収せずに貼りっぱなしにさせてもらい、聖岳ピストンをこなしてきました。8時45分、帰着。テントはカラカラに乾燥していました。撤収します。
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3日目、茶臼小屋テント場で幕営しました。ここで問題が二つ、写真向かって左の方がやや高く、出入り口は出入りしやすく虫の少ない斜面下に向けたかったので、頭の来る方向が逆になってしまいました。メッシュポケットが足元になったのはまあいいとして、フライのファスナーがオフセットしているので大きくなる方を開けなければならなくなりました。小さい方を固定したので、ファスナーを閉める時にやや抵抗が大きくなってしまいました。ただし、そんな使い方も考慮しているようで、大きい方のフライを留めるおしゃぶりも適切な位置に付けられていました。

もう一つはじゃりじゃりの石交じりの地面でペグが利きにくかったことです。四角は刺さる所を探して岩で打ち付けたり、穴掘ったりしてペグダウンしましたが、それ以外は細引き等を使って大きめの岩に括り付けました。風が強くなると安定しなくなりそうです。

それと、隣のテントは大きい石を独り占め!ずるいぞ。
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こうして3泊を過ごしたのですが、以下のことを感想として書き記したいと思います。

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部分ダブルウォールなので結露が発生してもあまり気にならないことが多いが、やはりシングルウォールの欠点は持ち合わせている。

フライ部分は本体から生えているので、付け根部分では隙間が不足しがちで風にあおられると本体とくっついてしまう。

非常に計量だけど、本体はメッシュなので盛夏以外では高山では使えないと思った方がよい。

縫製がうねっているところもあったりとやや雑ではあるが、防水性は満足できる水準にある。浸みてくるところもなかった。

生地の防水性は高いが、透湿性はほぼなさそうで盛大に結露は発生する。しかも撥水性能に欠け、いつまでも水滴がついてしまう印象はぬぐえない。

ポールの製造ブランドは明らかにされていないが、DACなどの高級品ではないだろうが、質感もよく使った感じではそれほど劣るようには思われなかった。

ペグもY字形状の物で十分役に立った。本数も12本と必要本数が入っていた。どうせ消耗品ではあるが、安テントではアルミの針金を曲げただけの物が入っていることもあるのでそこは評価してよいポイントだと思う。

ガイラインやファスナーのタブなども材質は悪くなく、交換せずに使用してもよさそうである。また、反射素材が織り込まれていて夜間つまづきの予防に役立つ。

後室へのアクセスドアがついていて、靴や調理器具などを一時的に置いておくのに便利だった。ただし、後面は羽虫が入り込んでくる。メッシュの向こう側ではあるのでテント室内への侵入はなかったが、パンパン生地を叩いて虫を追い出しておかないと畳むときに盛大に閉じ込めてしまうだろう。

クロスポールのおかげで頭上空間左右に余裕があるのは、モンベルのモノポールシェルターからの買い替えの私にはとても便利に感じた。着替えや、本来やってはいけないことだが、テント内調理の時など快適さがまるで違う。もう戻れない感じである。

細かい部分に意外なほどよい配慮がなされていて、実際に山で使いながら改良したように見受けらる。価格とのせめぎあいで生地などは妥協した面もあるように感じた。

また、この製品としてではなくモノポールシェルター共通の特徴として、ペグダウンしなければ自立しないので、ペグが利きにくい場所では安定して立てられないことと、風に耐性が低いことはあげなければなりません。稜線で吹きっさらしの北岳肩の小屋や、鹿島槍冷池などテント場が小屋から離れている場所などではやめておいた方が良いと私は考えます。

シングルウォールテントの共通の欠点として、結露が降雨などの衝撃で霧雨になってテント内に降ることもあげられます。出入りについてはダブルウォールと同様に考えても差し支えないので、雨天時にはこちらの方がより快適に使用できるでしょう。

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以上の様に、このテントは条件がそろえば十分役にたつと思います。よりシリアスな登山を目指す人にはお勧めできませんが、夏山限定、悪天候時には撤収できる小屋の側のテント場などなら使えるでしょう。撥水性能は撥水剤ポロンTを試してみようかと思っています。

同製品を使用したご感想などがあれば、コメント欄にご一報ください。