アラームが鳴る前、悪夢にうなされ目が覚めました。遭難者がいるであろう山域にいることが精神的圧迫になっていたのでしょうか。しばらくシュラフにくるまりぐずぐずしていました。さすがに起きるとしますか。シュラフから這い出たのは4時15分くらいでした。

テントを開けて空を見ます。満天の星空でした。星が多すぎて最初は何の星だかわからないくらいでしたが、オリオン座、冬の大三角を見つけるとそこからおうし座のアルデバラン、それにすばるが、目が慣れてきたら御車座のカペラ、ふたご座のポルックスなどが分かるようになってきました。残念なのは光害があること。バイオトイレで青い光が激しい点滅をしています。あとでトイレを利用する時に判明したのですが、太陽光を充電しておくバッテリーが切れたことを表示するものでした。あれもう少し何とかできない物でしょうかね。

いつまでも見ていたい空でしたが、寒さを感じて一旦テントの中へ戻ります。そして朝食を作ります。カップヌードルリフィルにフリーズドライ味噌汁の具だけを入れた、野菜強化ラーメンです。

食べ終わったらパッキングをして、テントの撤収です。空は白みかけて星はほとんど消えていました。

5時33分、将監小屋を出発します。
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ここを登り切れば将監峠です。
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今日も盛大に雲は発達しています。地上では風はほとんどないのですが、上空は強く吹いているのでしょうか。
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5時40分、将監峠通過。ここは左、唐松尾山方面へ行きます。
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踏みあとはしっかりしていますが、下草がツユで濡れているのでズボンの裾はびっしょりです。
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5時53分、山影からの御来光です。あまり感動のない、ひょこっと出てきた感じです。
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朝日に長い影を作る樹林の中を歩きます。
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6時丁度、山の神土到着です。神土って、神様の土って意味でしょうか?別段これと言って何があるわけでもないのですが。読みはかんどであっているのかな?不思議な名前です。ここを右に行けば和名倉山(白石山)です。いつかやろうと思っていますが、今日は左へ行きます。
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山の神土からトラバース道を行きます。ルート沿いの樹木に、赤テープがこれでもかと付いています。ルートを示しているのではないのかな?
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滑落しそうなポイントでは下を覗いて遭難者捜索をしました。気を付けないとこっちが遭難者です。十分注意して行いました。
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何カ所も崩落した場所へ出ました。崩落を回避するようにその上にルートが付け替えられていましたが、そこもやがて崩落してしまうでしょう。
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樹林の隙間から眺望が楽しめるようになってきました。しかし全般に眺めは良くないルートです。
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6時45分、西御殿岩分岐へ出ました。地図やガイドブックには眺めがよいとされています。また、遭難者捜索という点でもぜひ行きたい場所です。
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結構険しい登りが続きます。この上が西御殿岩かな?
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いやいや、まだ先ですよ。
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ゲロ、ここ登るのか!縦走路だとまずロープか鎖を設置するくらいでしょう。ただ、ホールドスタンス共にたっぷりなので気を付けて行けば誰でも問題ないでしょうけど。
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ようやく上が見えてきましたよ。
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西御殿岩、登頂!360度の大展望です。これは唐松尾山来たら、ここ登らなきゃだめだよね。
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手前の山が唐松尾山ですね。あっちは標高こそここより高いけど、山頂は樹林に覆われています。
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写真では薄いけど、富士もよく見えました。
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パノラマで。
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せっかくの大展望、ここで30分くらい休憩しますか。フライはびっしょりだったので、少しでも乾かしましょう。
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和名倉山はあれですね。頂上付近は意外なほど平たい山です。山の神土から尾根をたどって行けば着くので、ルートが不鮮明でも地図とコンパスで迷うことななさそうに思えます。
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7時33分、西御殿岩を出発します。メインルートへ戻ると、今さっき折れました、といった塩梅の樹木が登山道を塞いでいました。昨夜の雷でも落ちたのでしょうか?
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8時15分、唐松尾山山頂へ到着です。眺望はなく、先ほど大休止を入れて有るので写真だけ撮って素通りします。ここで単独行の男性と会い、遭難についての情報を入れました。
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8時過ぎころからヘリの飛ぶ音がしてきました。ヘリの機体には埼玉県警と書かれています。赤いザックだったからでしょうか、何回か接近され、確認を受けたようです。稜線よりむしろ、ずっと低い場所に時間をかけて捜索しているようでした。
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稜線の道は踏みあともしっかりしていて、とても迷うことなど考えられません。
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少し紅葉が始まってきていますね。
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小さいピークを何度も越えて行きます。なかなか笠取山は見えてきません。
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これがさすがに、最後の小ピークでしょう。
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道が右へ折れています。地図とコンパスで確認、この前方が黒槐山ですね。槐というとモグラ獣人を思い出しますが、あちらはサイカチと読み、こっちはエンジュでしょう。黒槐山を巻けば笠取山分岐はすぐそこです。
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これはひどい。倒木が登山道を塞いでいます。下の写真は通り過ぎてからの撮影です。向こう側が唐松尾山側です。左の笹原を抜けてきました。このような箇所が何カ所もありました。
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この程度なら楽勝の内です。到底くぐれないので、左から巻きました。
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9時50分、笠取山分岐へ到着しました。ここからは2年前に登っていますね。
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前回とは反対側からの登頂になります。いったん登り切ったと見えて、実はその先に本当の山頂というのはどちらから登ってもそうなのです。ピークがいくつもある山のあのです。この先が本当のピークです。
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10時05分、笠取山登頂!ここで昼食にしました。
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食べていると、2人組の男性が登ってきました。出発が今朝だったということで、遭難者情報は私より詳しい情報になっていました。また聞きになるのでここには記しませんが、やはり無事の発見をねがっていました。さらにもうひと方が到着。唐松尾山までの道状況を尋ねられ、倒木の迂回があると伝えるとどれほどの物かやはり行きたいな、と向かわれました。

上空をかなりの速度で雲が走っていきます。これから天気が崩れるかもしれませんね。早く下ってしまいましょう。
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10時33分、頂上を発ちます。急な斜面を降り、振り返るとこの景色です。2年前はここを登ったんですよね。
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小さな分水嶺を通過します。小さいと言いながらも、多摩川、荒川、富士川に分かれる分水嶺です。
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11時丁度、笠取小屋通過。
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唐松尾ー笠取間とはちがい、非常によく手入れされていると登山道でした。
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11時55分、無事に作場平へ下山しました。
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道の駅たばやまへ寄り、のめこいの湯で入浴、
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そして鹿肉カレーを食べました。
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R411をST250とVTRのカップルとランデブー走行し、
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圏央道青梅から高速で帰りました。
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