私の所有するテントで2番目に古いDUNLOP VL-31はフライからの漏水が酷く、山岳での使用不能と判断してMt-DAXのヌプカ2を購入したのは2年ほど前のことです。一応リサイクルには出さずにとってあったのですが、ネットでPOLON-Tという製品を知り、もしかして再生できるかも!?と試してみることにしました。

漏水はシームシールテープのはがれが主たる原因ですが、フライ生地も内側がややべたつきが感じられるようになってきました。生地はポリエステルですが、それにポリウレタンの防水加工が施してあります。

このポリウレタン(PU)が曲者で、靴のミッドソールなどにも使われているのでご存知でしょうが加水分解されてしまうという欠点を持っているのです。帰宅したその日に乾燥させてから収納するように心がけてはいますが、雨の中で撤収し、雨の中を歩いて、そしてそのまま電車、次の日は仕事で干すのはその次の日、なんてことはないわけではありません。それに空気中の水分でも加水分解するには十分だそうで、乾燥庫にでも入れておかなければ経年とともにどんどん劣化していきます。

そんな劣化したテント、フライ生地に、撥水剤POLON-Tを塗布すると復活するという話をウェブで知りました。テント買い替えを考えればはるかに安い送料税込み2,462円ですから、試しにやってみることにしました。

まずはフライからシームテープをはがします。縫い目の防水はシームシーリング材の塗布で行う予定です。
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吹き流しベンチレーターの縫い目にもしっかりと付けられていました。円形なので難しそうですね。さすが国産さすがDUNLOP!
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新型VLテントでは改良されたポールへ結びつける紐ですが、ここにも丁寧にシームテープが張られていました。HCSも紐は評判が悪いと認めていますね。
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剥がしたシームシーリングテープはこんな量になりました。
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浴槽に酸素系漂白剤を入れて洗濯します。ぬるま湯に付けておき、押し洗いします。
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結構洗濯水が汚れてきました。見た目はきれいでしたが、汚れていましたね。
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その後ため水で2回すすぎます。そして、干します。今日は天気が良かったし、ポリエステルなので過ぎに乾きました。
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ピンと張った方が塗りやすいでしょうから、テントを張ります。
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PUコーティングは裏からの様なので、裏返しにフライを張りました。
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道具を用意します。刷毛は新品を、そして溶剤なので体に悪いでしょうから、溶剤マスクを用意しました。
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これがPOLON-Tの缶です。さあ、塗るぞ。
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無色透明の、シンナーのようなサラサラの液体でした。
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塗装する感覚ではなく、全くただのシンナーを塗るような感覚です。
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もうちょっとで全部塗り終わりますね。
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さて、もう一つ加水分解が進んだテントがあります。モンベルのブリーズドライテックモノポールシェルターヘキサです。これのフロアシートが粘着テープ状になってきています。さすがにこれは無理かな?と思ったのですが、フロアと同じ材質のポール収納ケースが同じような症状だったので試しに塗布してみました。
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ベタベタでも塗るのはさらさらなので、問題なく塗布できました。
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さて、乾燥させてみたらどうでしょうか?VL-31のフライはとてもいい感じです。サラサラではなく、ややしっとりした感じにはなりましたが、問題なく使えるでしょう。撥水機能はまだ試していませんが。

モノポールシェルターのポールケースは、かなりましにはなりましたが、やはりべたつきは残りました。早めに対処した方が良いようです。

それにしても、モンベルのザック、テントとも他ブランドよりPUの加水分解が早かったように感じます。何かコーティングに違いがるのでしょうか?気になります。それともたまたまだったのでしょうか?