今日は風が強いのです。木も大きく揺れています。こんな時にはさすがに海に出る気はなく、手賀沼にしました。
風が強くなければ、風対策はできませんから。今回、ちょっと気が付いたことがあったので試してみたのです。
クルーソーの旧型には、ガヴァドン(ウルトラ怪獣、クプクプの成獣)の鼻のようなものがデッキバーの前部に付けられていたのですが私の艇にはありません。いくらか構造も違うようです。
風上を向いてしまうウェザーコッキングが発生するわけですから、バウに横風を受けやすくしてやればその力がキャンセルできるのではないでしょうか。そこで、ガヴァドンの代わりにウレタンマットをデッキバーと船体布の間に入れてみました。丁度船体布にもそれくらいの余裕があります。
そんなわけで漕ぎ出す強風下の手賀沼です。でも、漕ぎ出しは岸の風裏ですのでまだ穏やかです。
この辺りまで来ると風の強さを感じます。写真を撮るためにわずかにパドルを止めると、てきめんに艇は横を向き、流されていきます。でも、風沈する気配は全くありません。安定性は十分ですね。
波がフォアデッキを超えてスカートまで濡らします。
ホギング、サギングを受けて艇がしなります。手賀沼といえども波のパワーは侮れません。そして白く崩れる波頭。ウサギが飛んでいきます。
いろいろな方角に向けて漕いでみます。ささやかな改良ですが、やはりウェザーコッキングは弱くなっているように感じます。それとも違う理由でなのかな?とにかく、艇が面白いように言うことを聞きます。
横波も受けてみました。案外上手にいなしていきます。波を受けても艇は回されることなく、しっかりと進路を保っていました。
小一時間ほど漕いで、帰港しました。ここまでくればもう穏やかなので安心です。
上がると、オジサマが声をかけてきました。
「漕いでいるところを見ていました。こんなに風が強いのに、全然あおられずにうまく漕いでいましたね。大したものです。」
いえいえ、とんでもございません。
「私はここの地元で育ったので、子供のころはボートに乗ってよく遊んでいました。風が出ると帰れなくなっちゃってね。夕凪を待って帰ったこともありました。あのころはこの沼も水がきれいで、底の方を泳ぐ魚が見えたものです。豊四季団地ができたころから水質が悪くなりましたね。人口が一気に増えたから仕方がありません。」
それでも、アオコの浮く臭い沼からはずいぶん水質はよくなってはいますけどね。底まで見通せる手賀沼か、そんな時代に漕ぎ出したかったですね。
そんなわけで、今日のような強風下でもクルーソーは安全に航行できることが実証できました。これなら、海に出て突然の天候変化にも、ある程度は対応できるでしょう。ガヴァドンの鼻は必要ですね。何か工夫をしてみましょう。
ちなみにガヴァドン。
なるほど、ガヴァドンの鼻にはそんな効果があったんですねえ。考えたこともありませんでした(^^;
横波に対する強さは、瀬戸内海で、近くを潜水艦が通過したときに実感しました。安定性が本当にありがたかったです^^

やまさんさん、コメントありがとうございます。
いや、わずかなものですから、風に対して体感できるほどの抗力を持つ者なのか、疑問にも思っています。潮の流れが無い湖沼ですので、これが海なら違うかもしれませんし。フィールドでの経験を積んで行かないと結論としては出せません。
やまさんさんのブログで潜水艦波を受けた話は読ませていただいております。安定はよい艇であることは間違いありませんね。

ウェザーコッキングはまだ原理をよく理解しておらず、走っている時にバウが水を切り裂いて、ということは逆に水によってバウがロックされ?、スターン側が風に押されることで結果的に風上に向くのかな?と思っておりました。フネが来たらいろいろ実験してみたいですね。小さなゴム製のスケグを取り付けられないかなーなどと考えています。
多少荒れた状況でも安定感があるのはいいですね。

vientoさん、コメントありがとうございます。
ウェザーコッキングの説明は、気体と液体の流体力学の知識のない私ですから、経験則と人から聞いた話だけという前置きで、
漕がずに風に流される場合、艇は最も風の抵抗が大きい横向きになる。
その状態から漕ぎ出すと、
カナディアンなどで、スターンに座って漕ぐと風下を向く
同様に、バウに座って漕ぐと風上を向く
という経験上から、水中での中心点より前に風力の中心が来れば風下、後ろに来れば風上を向く、ということが言えると思います。
また、「ガヴァドン」の位置は艇の最先端であり、その一部は水中から出ている部分でさえあります。コッキングに対してはキャンセルの方向に作用すると思います。
ひとつ前のコメントにも書きましたが、それにしてもあまりにも小さいのでどの程度の効果なのかは未知数です。2回漕いだ海より風は明らかに強かったのに、コッキングは穏やかにしか出なかった理由は他にもあるのかもしれません。

なるほとんど~
勉強になります(*^_^*)
形状が全く違うカヤックでも、
共通点はいくつか有る要なので
色々と妄想してみます(笑)

ご返事ありがとうございます。なるほど、勉強になりました。カヤックで休憩中にはおっしゃる通り風に対して横を向くので、一つ前に書いたようなことなのかなーと漠然と思っていた次第です。重心(浮心?)やトリムも関係しているのですね。
確かに旧モデルには「カヴァドン」がついていましたね。

kikuさん、コメントと、ナイスぽちりありがとうございます。
キクさんの艇は推進装置付き、しかも強制的に風上を向くスパンカー付きでアンカーなしでその場にとどまれるというのですから、何ともうらやましい限りです。
ハルの形状、フィッシュフォーム、スイードフォームとありますが、これもただ造波抵抗だけを問題にするわけにはいかないでしょうね。フィッシュフォームは素直な挙動でしかも造波抵抗が少ないようですが、コッキングが強ければ台無しです。でも、スイードフォームのほうがコッキングは少ない艇が多いように感じています。
いや、いくつも乗ったわけではないから余計なことは言わない方がいいかな。

vientoさん、コメントありがとうございます。なにぶんにも素人の私の言うことですから、あまり本気になさらないでください。
カヌー雑誌等では確かに「漕ぐとバウが刺さるからそこを支点に」などと書いていることがありますね。でも、根拠が書いていないし、その他のところでもとんでもない間違いが多いですからね。
私もカヌーラフはほぼすべて(一部紛失)、カヌーワールドは2号から揃えてありますが、やはり???!というところがあります。特にワールドはカヌー初心者が編集長ですから、大間抜けな記事が素通りして掲載されるようです。

横波に対する強さは、瀬戸内海で、近くを潜水艦が通過したときに実感しました。安定性が本当にありがたかったです^^