2014年2月4日13時
韓定食を食べた私たちは、一度ホテルに戻ります。オーバーパンツはさすがにみっともないし、店内に入るのにそのままでは失礼にあたるでしょうから、先ほど買ったばかりのエコロバの登山ズボンに履き替えます。歯磨きなどをして、再び町へ出ます。
午後は昌徳宮、宗廟を見に行くのです。宗廟は李さんお勧めの場所ですが、ガイドと一緒に入らなければならず、入れる時刻が決まっているのです。日本語ガイドは14時40分、15時40分が間に合います。
地下鉄には明洞から乗ります。もう3回目となると慣れたものです。たったの5000wしかチャージされていないキャッシュビーカードですが、ソウルは交通費が安いので、まだまだ使えます。地下鉄一回が1050w、4回までは乗れることになります。
一駅乗った忠武路で地下鉄3号線に乗り換え、これも何とかこなし、そこから3駅目、安国で降ります。
降りてすぐに、現代グループのビルがありました。
こちらを走る車はやはりヒュンダイが多く、続いてキア、バスやトラックはデーウもあります。お金持ちはグレンジャー、普通はソナタ、超大金持ちはドイツ車に乗るのだそうです。「普通」になるだけでも大変な格差社会、単車改造のオート3輪トラックも良く走っています。
そこからすぐに、昌徳宮があります。時刻はまだ14時前、宗廟の見学時刻はまだ先なので、その間にこちらを見て来ましょう。
こちらも世界遺産に指定されています。
朝鮮王朝の不思議はこのような宮殿がいくつもあることです。日本では遷都するたびに増えていくのですが、こちらではなぜかソウルに多くがあります。どうしてなんでしょう?
韓流時代ドラマにはまっている人にはいろいろなことがわかって面白いようですが、チャングムしか見ていない私たちでも、ああ、ここがあれか、など興味深く見ることが出来ました。実際に撮影に使われることもあるようですが、やはり史跡での撮影には制約が多いのでしょう。野外セットを作った太秦のようなところがあって、そっちで主な撮影をしているようです。
庭に立っている石の立て札は、正九品などと書かれています。おそらくその階級の物がそこに並ぶのでしょう。それでも、王様に謁見できる身分なら十分に高いはずです。
この巨大な建物は王様が政治決断を発表するところでしょうか。何階建てかな?と思って中を見ると.、なんと平屋。とんでもなく天井が高いのです。そして内部の装飾も凝っています。
色は派手ですが、日本の建築との共通点を見いだせる建築様式です。
明や清との外交に、朝鮮の力を見せつけるためにこのサイズ、この建築美が欠かせなかったのかもしれません。中国には臣下の礼を執ることで侵略を免れていたということですから、地理的な運命を背負った建物でしょう。
この昌徳宮が想像以上に面白く、結局ぐるりと全部回ってしまったら、ああ、もう宗廟の14時40分には間に合いません。次があるか。
出口から出て、宗廟へ向かいます。あれ、道間違えた。大きい道路沿いに歩いて、、あれ、歩行者通行止めだ。宗廟の北側からは入れないのか。すると南側に回るしかありません。
塀に沿って歩いていきます。すぐ隣は宗廟ですから、塀を乗り越えれば入れます。あ、はしごがあるぞ。ちょっと借りるか。しかし、世界遺産でそれやると私の勘が当たれば逮捕、拘留されるでしょう。場合によっては刑罰を食らうかもしれません。
仕方がありません。どんどん歩きましょう。幸い最近妻はウォーキングにはまっていますから、歩く距離が長くなっても文句はあまり出ないので助かります。
結構広い敷地です。なかなか入り口は見えて来ません。やがて左に曲がれるところに来たら、そこが入り口か?しかし、そこでたむろしていたオジサマが、
「チョンミョ、ファイブミニッツ。」
と言って道を指さしてくれました。
あと5分も歩くのか。そして歩くこと3分程度。チケット売り場に来ました。しかし、すでに閉まっています。ああ、ついに時間が過ぎたのか。
仕方がありありません。それでは仁寺洞散策に切り替えましょう。仁寺洞は「古き良き韓国の文化を今に伝える」とまっぷるで紹介されている通りです。
宗廟からは大通りを西へ進みます。タプコル公園前で地図を広げて信号待ちをしていた時のこと。前にいたおば様がクルリと後ろを向き、私の持っている地図を覗きこみます。タプコル公園は抗日を記念するところ、ドキッとします。
「いまここ、仁寺洞行くの?この道をあっちに進めば、それ仁寺洞。」
お礼を言う間もなく、青信号で渡って行ってしまいました。親切な人が多いとは思っていましたが、とにかくみんな親切でびっくりします。毛皮のコートを着ていました。お金持ちの奥様でしょうか。
教えられたとおりに進み、仁寺洞へ入りました。街の雰囲気は自由が丘が、日本では一番近いかなあ。落ち着いたたたずまいです。
ちょっと疲れたのでカフェで一休み。ソウルで驚くのはカフェが異常に多いことです。スターバックスはそれこそ100歩に1軒ぐらいの割合である所もあるし、韓国ブランドのチェーンも、もちろん個人経営も、これでもか、というくらい展開しています。どれもが優雅な雰囲気でおしゃれに楽しめそうです。
階段を上がり、「トゥミョン」(2人)と言いました。明洞は日本語で不自由しないと聞いていました。ここは仁寺洞(インサドン)ですから。
「チュムン プッタカムニダ」(注文 お願いします。)
と私。
「すいません、わからないので日本語で話してください。」
と店員。はいはい、すいませんね、それでは日本語で注文しますよ。
妻はアメリカンコーヒーを、私はエスプレッソを注文しました。あとはパンケーキとチュロスを。
コーヒーもおいしい!
韓国通の友人は、つい10年ほど前まではインスタントコーヒーの様な物が提供されていたとのこと。ずいぶんよくなったようです。
疲れをいやしたら、いよいよ仁寺洞探検です。
何やら行列ができています。行列のお目当ては油で揚げたお菓子のようです。
外国人観光客も多く来るのでしょう。I♥韓国なる、着るのが恥ずかしいデザインのTシャツも売られています。チープなチマチョゴリもどきは、浅草で和服もどき売っているような感じでしょうか。
お茶屋さんがあり、店内に入ってみます。しかし、いい値段がします。価格差も激しく、良し悪しが分からない私たちには買うのはばくちになってしまいます。
サムジギルへ来ました。ここは仁寺洞のランドマーク、らせん状のフロア構造になっているのでぐるぐる回って全部のショップを見ることができます。
頂上にはこんなオブジェが。コンクリートジャングルのソウルにあって、どこかほっとするスペースです。
そして何やらお札の様な物がたくさんぶら下がっていました。恋愛成就の何かがあるのでしょうか。若い人たちは必死ですね。日本でもパワースポットだのなんだので賑わっていますね。
仁寺洞を突き抜けました。まっぷるの付録の地図を見ると、三清洞から北村韓屋村へのお薦め散策路が記されています。よし、この通りに歩いてみましょう。
まずは女子高校横を歩いていきます。この氷点下の寒さの中、生脚ミニスカートがいて驚きます。さすがに稀な存在ではありますが。写真?そんなの撮らないよ!女子高校の隣は、また女子高校と中学校です。なんでまっぷるはこの道を推奨しているのでしょうか?ちなみに週末の10時~22時は歩行者天国だそうです。
交差点まで来ました。ここからは分岐があるので、しっかりと地図を見ながら歩かないとルートを外してしまいます。
観光客が結構います。仁寺洞とは、隣り合わせの町ですが、また違った雰囲気の所です。
くねくねとしたルートをなんとか外さずにトレースしていると、登り坂に出ました。結構急ですが、距離は短いのでえいやっと登ります。
見えてきました、韓国伝統の建物が。日本でいえば川越や、前の週に行った佐原のような感じでしょうか。
この辺りは伝統的建築を保護しているのでしょうが、所々現代の実情に合わせて改造してあります。石塀の一部をくりぬいて車庫になっている所もあります。これは仕方がないでしょうね。
ターンするところがよくわかりませんでしたが、何とかルートの戻って今度は南下、北村の中心を歩きます。写真で紹介されている北村韓屋村は北側に向けて撮影しているようです。南側を向けると、遠くには、ああ、ビル群が写ってしまいます。
でも、雰囲気は出ていますね。ソウルの面白いところは、日本では京都、奈良、自由が丘、佐原などがセンター街やアメ横のすぐ隣に位置していることでしょう。全てがギュッと凝縮されているようです。
日本と時差はなくても、かなり西に位置していますので、なかなか暗くなりません。まだまだいけますね。歩いて帰りましょう。
安国の交差点へ戻ったら、今度は郵政局路を通って鐘閣タワー(チョンガクタワー)を目指します。ここは展望台があるということなので、明るいうちにここに登り、暗くなったらNソウルタワーに上るというプランを立てました。
鐘閣タワーの下に来ました。エレベーターはありますが、どれが展望台につながっているのでしょうか。ビジネスマンたちが忙しそうに出入りしています。
インフォメーションにいるお姉さんに尋ねてみました。
「展望台はありません。」
本当か???ガイドブックには絶景と書いてあるんだけど。♪もしかしてだけど~、もしかしてだけど~、俺に側にいて欲しくてそう言ってるんじゃないの♪
後で調べると、展望レストランはあるけど展望台はないようです。そう言ってくれればレストラン入ったかもしれないのになあ。
明洞まで戻ってきました。本当に今日はよく歩きます。明日、7時50分に集合の近ツーラウンジを下見しておきましょう。ロッテホテルのロビーへ行きます。
下見しておいてよかったですね。一発では行けません。ロッテホテルはさすがに高級ホテルの格を感じさせます。でも、かえって面倒だなあ。入り口から入ってすぐにエレベーターのニューオリエンタルは便利ですよ。
だんだん暗くなってきました。いよいよ核心のNソウルタワーへ行きましょう。まずはエレベーターでロープウェイの乗り場へ行きます。このエレベーターは斜面に沿って斜めに登って行きます。
ロープウェイは結構な混み具合でした。中は真っ暗です。けっこう高くまで登って行きます。
そして、ついたところが南山山頂駅です。ここからタワーまではわずかな距離です。ライトアップされていました。
券を買って、いよいよ中へ。エレベーターを待つ列は、写真撮影コーナーへと導かれます。ブルーバックの前で全員写真を撮られます。商魂たくましいですね。
エレベーターを待つ間、扉に映像が映し出されていて飽きさせません。けど、ちょっと大げさかな。
そしてエレベーター内では天井に映像が。これが地球を飛び出し、宇宙まで突き抜ける映像で、これまたいくらなんでも大げさすぎ。タワーまではるか下の方。
でも、エレベーターを降りるとこの景色です。
妻と二人、息をのんで景色を見ていました。展望台にもレストランがあるので、景色を楽しみながら食事もいいね。でも妻は、参鶏湯が食べたいというので景色をしばらく見た後にタワーを降りて明洞参鶏湯へ行きました。
明日は早朝から水原華城へのオプションツアーです。朝食を食べに行く暇はないでしょうから、キンパッ(韓国のりまき)をコンビニで買って帰りました。妻の万歩計は3万8千歩を越えていました。でも、その分食べているからなあ。
ホテルに戻ると、巨大なバッグが届いていました。昨日の分で書き忘れていましたが、李ガイドお勧めの店で韓国海苔を買ったのです。岩海苔の高級品で、その辺で安売りしている養殖海苔とは味が違うと店のおやじさんが言っていたのでつい、買ってしまったのです。
「もし、バッグに買っていないものが入っていたとしても、それはサービス品ですから返しに来なくても結構です。」
面白い親父さんでしたが、この量はすごいね。海苔を壊さずに持って帰るのは至難の業となりそうです。