キター
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タキザワから箱が届きました。早速検品します。これで組みます。
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数量と品目の確認を終えたら、品質のチェックをします。
リムの品質の確認です。傷、汚れ、そして歪みのチェック。ゆがみは数カ所で直径を計測します。1㎜以下の誤差しかありませんでした。つなぎ目も滑らかです。溶接ではなく、スリーブジョイントですが、価格から考えれば妥当な線でしょう。
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赤いアルマイトもきれいですね。
 
いずれの項目もわたくし基準をクリアしていました。そして重量の計測です。
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本当か!ぴったり460gではないの。やるなあ、KINLIN。安いだけのリムではありませんね。
 
スポークとニップルの検品です。スポークはスポークルーラーで長さの確認をします。なぜこれをやるかというと、よく違う長さのが混ざっているからです。それからスポークにニップルを最後まで通してスポークネジの確認をします。もちろんサンプル検査ではありませんよ。全64本すべて実施です。そしてニップルも64個すべて確認します。こちらは不良品1個発見。余分に入っていたのでもちろん、問題はありません。
 
ハブの確認をします。回転はなめらか、ガタツキも認められません。傷もなし。穴数も32ありました。
スポークを通します。スポークのネジにスポークプレップを塗るショップもありますが、適正なテンションで組んであれば塗らなくても緩むことはないし、後に調節する時にスムーズにいかなくなるのでメンテを考えれば使用しない方がいいと私は考えています。
 
スポークは6本組イタリアン、そしてハブのロゴがリムのバルブ位置にぴたりとくるようにスポークを通していきます。性能とは関係ないのですが、これがずれていると気持ち悪くて仕方がありません。レース会場のピットなどで、狭いところにずらり並んだバイクの空気を入れる時に、ハブを見るとバルブの位置を探し出し易いというメリットもあります。
 
リムに鳩目がないので、ニップルをそのまま入れるとリムの中に落ちてしまいます。グリスでマイナスドライバーに張り付けてそっと落とし込む方法もありますが、落ちることはしょっちゅう、時間ばかりかかって仕方がありません。しかも、ニップルを出そうとリムを振るとまだ組んでいないスポークでリムを傷つけたりします。赤アルマイトに傷が付いたら、どうしましょう!
 
そこで、DTのニップルセッターの登場。この先にニップルを付けて、リムの中にニップルをセットします。高いテンションをかけてもスムーズにネジが回せるように、ニップルには局圧性の高い自動車用デフオイルをチョンとつけておきます。
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デフオイルは便利ですよ。ホイール組だけでなく、ドリルでもむときの切削油にも、一般潤滑油にも、ママチャリのチェーンにもなんでも使えます。ハイラックスのデフ用に買った使い残りだとは思えないほどよく働きます。1ℓ缶を開けてまだ1/4も使っていないかな?これでもう5年、あと15年は使えるでしょう。で、その缶の隣にまだ封を切っていない同じオイルがもう一缶。あと35年分もあるのか、安心だな。そうでなければビンゴの景品にでもするか。
 
次々とスポークを通し、ニップルで留めて行きます。
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リムにすべてのスポークを通したら、振れ取り台に乗せます。センター出し機能はついていないタイプですが、片側だけ振れセンサーを出してホイールをひっくり返せば大体のセンターは出せます。まだスポークはゆるゆるですが、リムの精度はかなり高いらしく、ほぼまっすぐ、縦ブレも許容範囲でした。
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少しづつニップルを回してテンションを上げて行きます。ある程度上がったところで振れ取り、センター出しを行います。センターはホイールセンターゲージを使って確実に出します。
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箕浦の折り畳みタイプは剛性が低くてそっと扱わないと狂っちゃうので使いにくいですね。それにリムにあたる部分の平面度に問題があるので、同じところが当たるように気をつけないとだめです。同じ場所で裏表数回、それを3カ所ほど実施して確実にセンターを確認します。そして寄っている方と反対側のニップルを締め、再度センターゲージで確認、そしてまた調節、確認、何回も繰り返し、だんだんと寄せて行きます。最後にはどんぴしゃ。0.2㎜以下(箕浦センターゲージの公称誤差)に収まっています。
 
スポークをしごいたり握ったりしてなじみ出しもしていきます。
 
さて、ここまで来たらテンションゲージの登場です。パークツールの簡易型ですが、これでも十分な精度を持っています。32本全部計測し、まずはメーター数字の15を目指します。これが50kgf程度に相当します。
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緩いところ、きついところを調節し、再度すべて計測します。スポークはテンションを上げるとその反対側のテンションにも影響が出るのです。驚いたことに、すべてのテンションバランスを取った状態で縦横とも振れはほとんどなく、センタ―も出せました。リムの精度が抜群です。
 
振れを見ながらテンションを上げて行きます。テンションは100㎏f程度に設定しました。メーター数字でいうと21程度です。そしてセンターを確認してちょこっと調整。
 
これで完成、ではありません。板の上にホイールを置き、上から圧力をかけて行きます。ホイールを回しながら、手が痛くなるほど体重をかけます。さらに、スポークをしごいていきます。
 
再度振れ取り台の上に乗せ、振れ取り、センター出し、テンションの確認をします。これを繰り返し、圧力をかけても変わらなくなったら完成です。本当は100㎞ほど走ってもう一度その作業をかけるといいのですが。
 
ホイールの振れはある程度小さければ走りに影響することはなく、極論すればブレーキブロックにあたらなければ十分なのですが、減速する時にはやはり精度の高い方がよいし、見た目に気持ち悪いものです。一応2㎜以下という基準がありますが、やはり横は0.5㎜以下にしたいものです。今回は0.1mm以下に収まっています。
 
縦ブレはスリーブジョイント、ピンジョイントなら当然、溶接リムでも、接合箇所はどうしても凹んだり凸になっていることがよくあります。これをスポークテンションで無理やり均して(ならして)しまうと張力のアンバランスができてしまうので、むしろテンションを均してリムなりに組む方が、長く狂いにくいホイールになります。その意味からも、リムは精度の高いものがいいですね。
 
最後に、脱脂があります。デフオイルで汚れてしまったリムのブレーキ面の脱脂をしなければブレーキのタッチがよくなかったり、場合によっては危険なことだって起こるかもしれません。アルコールで脱脂した後、マビックのリムストーンで仕上げます。
 
さて、前輪は完成しました。後輪は明日以降に組みます。いい品質の部品で、いい工具を使って、それなりの知識を持って組んでいます。そして同じくらい大切なことが根気を持って作業することです。途中で、「飽きてきたなあ、これくらいでいいや。」と思ったらそこまでのホイールでしょう。商売抜き、マニアならではのこだわりで組まれたホイールです。出来上がりを楽しみにしていてください。