息子の入学式は9日です。それからは自宅から駅までは、3本ローラー用に組んだフラットバーロードを使用するのですが、ほぼ毎日暗くなってからの帰宅になる見込みですのでライトは重要になってきます。そこで、かつて私が通勤で使っていたハブダイナモを利用して通勤ホイールを組むことにしました。
 
部品はそろっています。ハブはShimano NEXUS HB-NX20です。このハブは6V-2.4Wの定格出力があります。値段が安い割に(2,900円くらいだったかな?)丈夫で長持ちします。その分重量は重めですが、通学なら全く問題ないでしょう。転がりが重くなるのではないかという質問をよく受けます。実際、手でハブ本体を回してみると結構回転は重たく感じます。しかし、ホイールにして走ってみると抵抗を感じ取ることはできません。人間の質量の慣性の方がはるかに大きくなるからでしょうか。ホイール自体の回転も慣性が発生しますしね。
 
部品です。リムはアレックスリムズのDA22、これは完成車についていた駄輪から、必要だったハブを抜いてしまったために余っていたものです。通学なら不足なしです。ライトはシマノのバッテリーライト、これのバッテリーケースを取り去るとハブダイナモ用になります。これもかつて私が通勤で使っていたものです。
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スポークは部品箱からそろいの32本を抜き出してくればOK牧場。長さの問題がありますが、ハブダイナモはスポーク穴PCDがかなり大きいのでスポークは短めになります。カットしてネジを立てればいいのです。
 
ついでに、質問の多かった私の工具箱を紹介します。2×4材などで作った台の上にREMLINEの工具箱を固定してあります。
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上のトレーにはレンチ類、蓋にはフックにソケットレンチのハンドル類が入っています。一番上の引き出しはドライバー類とプライヤー、ニッパー類が入っています。レンチハンドルは主にスナップオン(米)、ソケットはコーケン(日)、片目片口はファコム(仏)、スパナはスタビレー(独)、深型メガネレンチはちょっと珍しいかもしれないベルツァー(独)、六角ソケットはハゼット(独)とコーケン(日)、そのほかKTCやSKもあります。
 
引き出しの中も、パークツール(米)のワイヤーカッター、クニペックスのウォーターポンププライヤー、ペンチ、他、国内外の製品がごちゃ混ぜに入っています。左の黒い箱はシグネットの1/4インチソケットレンチセットです。
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引き出し2段目はスペシャルツールです。自転車専用品など、特殊工具が詰まっています。左の赤い箱はコーケン(日)のインパクトドライバーです。つぶれてしまったり、錆びて動かないネジを外すのに使用します。パイプカッター、まっすぐにコラムをカットするためのソーガイド、スターファングルナットセッター、そしてトルクレンチも2本あります。信頼の東日(日)製ですよ。
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そして3段目がホイール専用工具類です。左の箱はパークツール(米)のスポークテンションメーター、右がスポークねじ切りホーザン(日)です。これがあれば、短い分にはどんなスポーク長でも作り出すことができるのです。ニップル回しはパークツールを信頼しています。特に4角を押さえられるタイプはアルミニップルだけでなく、ブラスでも高いテンションで組むときには使っています。スポークの長さと番手を調べるスポークルーラー、エアロリムにニップルをセットするDT(スイス)のニップルセッターも私にはなくてはならないものです。センターゲージは箕浦(日)、これは折りたためて収納には良いのですが精度、剛性が低くて使いにくいので、いずれなんとかしたいものです。
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工具箱下の台は、上段右の黒い箱がビス箱3つ、それぞれにタッピング、ビス&ナット、それに自転車用ビスとニップルがサイズ毎に仕分けして入っています。その左は自転車用工具箱と、自転車用液圧ブレーキ工具、いちばん左は小物入れになっています。下の段はケミカルと、ワイヤーなどの消耗品を入れてある箱です。箱の下には電動ドリルドライバーと、それのソケットが入っています。
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右側面はよく使うアーレンキーとドライバーが差してあります。ドライバーはPBバウマン(スイス)とベルツァー(独)、アーレンキーはベータ(伊)、4mmだけはSK11(日)です。あれ、ベルツァーのドライバーが差さってないぞ。
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裏面に回ると、こんな感じです。部品箱には自転車用のコラムスペーサーやライトマウントなどが仕分けして入っています。
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左の棚を展開すると、振れ取り台が出現(いや、最初から見えていますが)します。こんな感じでホイール組み、振れ取りなどのメンテを行います。至福のひと時であります。
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どんなメーカーの工具がいいの、という質問をされる時がありますが、こんな感じでそれぞれです。こだわりがあると言えばあるし、ないと言えばないのかなあ。
 
これ以外にも12.7㎜ソケットレンチセットはKTCのミラーツール、振動ドリルは日立工機のZシリーズ、ディスクグラインダーも日立工機、リョービの丸ノコ、電動カンナ。先ほどのドリルドライバーもリョービでしたまだまだあります。いい物を買えば長持ちするだけでなく、使う時も無駄な怪我をすることもなくなり、部品を傷めることも少なくなります。
 
ハンドツールのほとんどは独身時代に買った物ですので、もう20年選手ばかりです。物によってはかなり酷使していますが、それでもダメになったものはほとんどありません。実は工具箱はまだありまして、すぐに取り出せるようにリビングに置いてあるものと、車載工具箱、さらにレース会場に持ち込むためのトランクとあります。この辺りに来るとさすがに全部が一流品ではありません。
 
さて、話をホイール組みに戻します。スポーク長を計算するのには、まず部品寸法の測定をしなくてはなりません。ハブのPCDやロックナット⇔フランジは簡単に計れますが、問題は有効リム径です。ニップルのマイナスネジ面間を計らなければいけないのです。いくつかの方法がありますが、精度の良いノギスを持っているのでこれでリム外周からの距離を測り、メジャーで計測したリム直径-ニップル面までの距離×2で算出しました。
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あとは計算するだけです。かつてはメンテ本に乗っていた三平方の定理でラジアル組のスポーク長を出し、タンジェントの場合はもう一回三平方の定理を使うという方法で決めていたのですが、これで計算するとどういうわけかスポークが長くなってしまうのです。大学生の時に初めて自分で組んでみたのですが、その時は計測にミスがあったんだろうとそれほど気にせずに、ニップルからスポークネジが飛び出していはいましたが実害はないので気にしていませんでした。
 
ロードバイクの科学を読んで、その謎が解けました。そうか、スポーク穴はスポークより大きいし、スポークも伸びがあるのでした。しかも、近似値なら短い方にしなければいけなかったのです。四捨五入して計算していたから、今思うと2㎜程度長かった可能性がありますね
 
面倒な計算も、今はネットにあるスポーク長計算ソフトを使うとあっという間に寸法が表示されて便利です。今回もそれを使いました。
 
本日はここまで。