テン場に着いたらザックを下し、小屋にテン場代を払いに行きます。テン場には数張のテントが張ってありましたが、小屋に泊まる人はいないようです。この小屋は素泊まり専門なので、自炊するくらいの人ならテントを持ってくるということでしょう。ただ、落雷や強風などの事態には山小屋の存在は大変にありがたい物です。
 
この付近では携帯電話がつながります。テント場では圏外です。微妙なところですね。妻の仕事が終わるころ、改めて電話しますが、一応、テン場到着メールを打っておきました。
 
まずはテントを張ります。今回もモンベル ブリーズドライテック モノポールシェルターヘキサです。5分程度で張れてしまいます。このテン場はペグもよく利き、平らな理想的なテント場です。
 
そしてブラッカンの組み立て。テント内に銀マットを敷いて、その上にブラッカンエアマットを広げエアバルブを開きます。短気な人は自動膨脹マットでも口で空気を入れてしまいがちですが、このマットは温水管で温度が上がると中の空気が膨張して必要十分に膨らみますのでその必要はありません。
 
三脚を組み立て、ブラッカンのボイラーをぶら下げます。1.2Kg しかないので風で転倒する可能性は否定できず、三脚を少し地面にのめりこませました。配管をつなぎます。そしてハイドレーションの残りの水をタンクに注ぎ、チェックバルブを数回押して循環させます。水は600ml程度必要なので不足していますが、とりあえず入れておくと早く済むので水がエアマットに回る間に、水を汲みに行きます。
 
水場は階段を降りたところ、すぐにあります。水場が遠いとこれだけでかなりのアルバイトになってしまうところがありますが、ここは近いので助かります。冷たい水がジャバジャバ出ていてすぐに容器は一杯になりました。
 
ブラッカンボイラーに水を追加し、ポンピングして待ちます。戻り配管からプクプクと空気が出てきます。
イメージ 1
 
空気が出なくなったところで、一応さらにポンピング。水量を調節し、上限の線まで減らしました。そしてSRV(安全レギュレーターバルブ)、カセットガスアダプターとねじ込み、カセットガスを装着。
 
さて、私の今回の工夫はいかに低温化でカセットガスを使うかです。おそらく夜間は氷点下でしょう。その気温ではカセットガスは気化しなくなります。そこで考えた作戦が、温水管を巡らせて加熱し、カバーをかけて缶全体を保温するというものです。かといって荷物を増やしたくはないので、ブラッカン収納ケースを利用します。
イメージ 2イメージ 3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カセットガスに配管を巻きつけ、細引きで固定。その上からフリースタオルでくるみ、さらにブラッカンボイラーのネオプレンケースに入れました。ケースの紐を締めて上から暖気が逃げないようにしました。そして点火。暖まるまでの間に夕食の調理です。
 
SOTOMUKAは寒冷下でも一発点火でした。しかし、チタンコッヘルとの組み合わせは良くないですね。火力が強すぎます。最弱でも「中火」にしている感じです。チタン、MUKAで米を炊くには不安もあるので今回はアルファ米の一種である、どん兵衛炊き込みご飯を持ってきました。電子レンジ調理もできるくらいなので、少々火加減が怪しくても何とかなります。そのほかの献立もみそ汁、それにスープでパスタというお湯が沸かせれば作れるものばかりで、しかも夏のあまりの品ばかり。ブラッカン店長さんのブログでは、この山域で毎晩焼き肉をやっていましたが、到底私の胆力ではかないそうもありません。
 
作っているうちに日はどんどん傾き、気温が下がってきました。たまらずテントに避難。おお、なんということでしょう。エアマットが温かいではありまえせんか。エアマットに上に座って食事。この気持ちよさは使った人にしかわからないでしょうね。
 
食後にお湯を沸かして食器を洗い、ロールペーパーで拭きあげ。余ったお湯にスティックコーヒーを入れてコーヒータイム。コーヒーの味が強いので何の問題もありません。だって、食器洗ったお湯は捨てるところないんですから。それも最後にペーパーで拭けば完了。あとは歯磨きをします。
 
無線機はずっと145.00MHzをワッチしていましたが、この高さだとひっきりなしにCQコールが聞こえてきます。こんなにアクティブだったとは、アマチュア無線斜陽という話は神話だったのでしょうか。甲府、前橋、秩父などもあり、たまに松戸や江戸川区など自宅の近所のコールも聞けました。
 
試しに51.0MHzに切り替えてみました。さすがにこちらは静かでした。しばらく聞いていましたら、CQコールがかかりました。明日も人通りの少ない山域に入るので、熊よけにラジオは欠かせません。バッテリー残量は気になりますが、単3電池ボックスとアルカリ電池も持ってきているので、もし電源喪失になってもどっかの間抜けな電力会社の原発のような事態にはなりません。
 
PTTボタンを押し、呼びかけに応じます。しばし沈黙。再度CQコールが聞こえます。取ってもらえなかったようです。送信出力を5Wに上げ、もう一度返答。やはりだめでした。そして
「これが最後の呼び出しになります。CQ、CQ、CQ6m、こちらは、、、、、」
最後のチャンスにかけ、無線機を高く持ち上げ、アンテナを水平にして電波を発射。が、やはりだめでした。あちらは相当強力な出力で送信していたようでした。こんなに良く入るのに、応答局がないというのもこのバンドが空いていることを示しています。ロングラグチュー(おしゃべり)には、最適なバンドかもしれません。
 
そんなことをしていると辺りは真っ暗。コンステルLEDライトをテントにつるし、点灯させます。リチウム電池なので低温でも安定して出力できるので秋冬の山では最強でしょう。これを使う前までは単三電池4本のランタンか、一番多く使っていたのはキャンドルランタンでした。キャンドルは熱でテント生地を傷めるので、使うには相当神経を使う代物でした。親指ほどもないこの小さなライトがテント内をくまなく照らしてくれます。本当に便利になったものです
 
時刻はまだ17:40くらい。荷物を整理し、明日の食事の準備、と言っても食材と器具を並べるだけですが、それを済ませたら妻の帰宅時刻までシュラフにもぐって待つことにしました。寝なくてもいいのですが、このテントは上方空間が狭いので同じ姿勢を強いられて辛いのです。ブラッカンで温められた背中が何ともいい気持ちです。
 
顔の上にひどく冷たい水が落ちてきました。なんだろう、とヘッドライトをつけると、テント内にびっしりと結露がみられ、しかも一部氷になっています。時計を探し、時刻を確認。0時を回ってしまっていました。ああ、電話していないぞ!外は氷点下であることは確実です。温水マットを手で触ってみると、結構な温かさです。カセットガスでもまだ十分に使えていることが確認できました。テントの入り口を開け、ボイラーのバーナー部をのぞくと、ちゃんと火はついていました。
 
のどが渇いていたので水を飲み、再びシュラフの中に戻り、もう少し眠ることにします。ブラッカンの温度設定は少し暑すぎる気もしますが、あまり下げるとカセットガスへの給熱が不足してしまうかもしれません。せっかくうまく気化しているのだから、このままで行くことにしました。
 
朝3時。腕時計のアラームが鳴りました。行動開始です。
 
まずは腕時計を外に出して外気温の測定。温度になじむまでしばらくかかるので、食事を作りにかかります。ストーブを外に出し、ポンピング。冷たいので当然手袋をしますが、穴をふさぐ必要のないこのストーブはこの場合とても便利です。気温は零下2度。
 
点火したら安定を待ってRUNに。コッヘルを火にかけ、沸騰を待ちます。最大火力で使うと炎が外に漏れてしまうので、このストーブの中火にしましたが、それでもあっという間にお湯が沸いてしまいます。今日の朝ごはんは夏の残りの、モンベルで半額で買った消費期限が今年9月までの煮麺(にゅうめん)です。寒い時にはこれがうまい。食べたらまたコーヒータイム。ペーパーで拭いて、片づけ終了。
 
テントの外へ出てみました。月が明るく草原を照らし、一面に下りた霜をキラキラと輝かせています。オリオンと冬の大三角がよく見えていますが、大星雲などは月の光のせいでほとんど見えません。風は全く吹いていません。光の海の上に立っているような、あるいは宇宙に浮いているような、神秘的な体験でした。
 
テントの外面には霜がびっしりと張り付き、下の方には上から落ちてきた霜が積み重なってかき氷状になっていました。 イメージ 4
いよいよブラッカンの解体です。ガスはまだ少量ですが残っていました。この低温化でよく持ってくれました。
 
水をこぼして、接続を解き、マットの中の水をポンプで抜きます。ぴゅーと勢いよく飛んでいきます。冷めるのを待ってしまうようにマニュアルにはありますが、そんな心配はなく、あっという間に素手で触ると凍傷になるほどキンキンに冷えます。
 
テントをたたみ、パッキング。まだ日は登らず、気温はさらに下がっているでしょう。腕時計を装着すると体温を拾ってしまい、気温計測はできなくなります。これ、何とかならないのでしょうか。
 
 
 
5時調度、出発準備完了。プロトレックの高度計のレコードを始めようとして、気が付きました。あ、昨日のログを書き写していない。寝ちゃったからだ。その場で書き写しました。これを残しておくと、あとで記録の整理に大変に役立つのです。
 
そのほか、GPSの電池を替えたりしているうちに10分経過。これも昨日のうちにやっておくべきものです。用意周到抜かりなし、のはずの私がこんな目に合うとは。恐るべし、ブラッカン。
 
2日目の行動は、次回。