先日、集合命令をかけたにもかかわらず不参加だったマルチフエールピーク1ですが、コッヘルの中から発掘しました。以前使ったときに、ここにしまっていたんですね。
 
モデルナンバーでいうと、550Bです。
 
燃焼テストをしようとしたら、タンクのジェネレーターねじ部から圧力漏れを起こしていました。修理のためにばらし、ついでに磨きを入れてみました。真鍮部品はピカールでピカピカになります。
イメージ 1
 
上の写真、右下部品のパッキンが圧力漏れの原因だと思われます。見た目では傷んでいませんが、交換の時期なのかもしれません。さらにこの部品をばらすと、このような具合です。
イメージ 2
 
真鍮を削り出して作った、コールマンにしては!?よい作りです。磨くと、ピカピカになりました。写真いちばん右の、黒いOリングが気密を保てなくなっているようです。タンクのOリングが入る部分の作りは荒いので、柔軟性が失われると辛いでしょう。ここはやっぱりコールマンだ!?
 
圧力漏れは掃除だけでは治らず、かといってパッキンの予備も持ち合わせていないので、配管テープを巻いてねじ込んでみました。一発で圧力漏れは止まり、とりあえずは使えそうです。もちろんイレギュラーな整備なので、お勧めはできかねます。
 
燃焼テストをしてみました。ピーク1らしい、静かで青い焔がよみがえりました。得意の弱火もばっちり利きます。
イメージ 3
 
このストーブの良さは、この時代には珍しくプレヒートが要らないこと、そしてガソリン以外の燃料も使えること。ただし、ほかの燃料を使うにはいろいろ儀式が必要で、かなり面倒くさいうえ、ガソリンほどきれいな燃焼にならないので、事実上ガソリン専用機と変わらないかもしれません。
 
欠点は、コールマン全般に言えますが、ポンピングがえらく面倒なこと。穴を指でふさがなくてはならない構造で、しかもタンク内の圧縮空気を利用してキャブレター風に燃料を気化しているので、温度が低いうちはとにかくポンピングがサボれません。ある程度の温度になると自動加圧のような感じで安定はするのですが、油断はできません。ご飯を炊いていると、最後の方に息切れ、追加ポンピングを余儀なくされます。ただし、ご飯を炊くには良い火加減なので、それでも使っていましたが。
 
そのほかの欠点は、五徳と燃焼ヘッドの構造上の弱さがあります。いちばん上の写真、右上の、アルミのリングがタンクの上に乗り、バーナ-ヘッドを支えるのですが、これが弱くて折れてしまい、ヘッドが傾くことがあります。アルミの板を切ってリベットでリングにしただけなので、重い鍋などは怖くて載せられません。
 
また、五徳そのものも薄い鉄なのですが、バーナーヘッドに1本のねじで留まっているだけ、大きく見える五徳の外のリングは宙に浮いています。
 
 
私が高校生の時、ワンゲル部に在籍していたのですが、その当時の部の最新鋭機がピーク1でした。2レバー式で、プレヒート要らずの性能に驚嘆しました。合宿などでは人数が多かったので111やホエーブス625を使用していましたが、個人山行では備品を借りて持って行ったことがあります。機械としての美しさまで感じ、憧れを持って接していました。しかし、長く付き合うと、いろいろ欠点が目につくようになりました。特にポンピングは大変で、自動加圧の725や123Rを使ってしまうと、プレヒートした方がよっぽどまし、という感じになって、わたくし以外の部員も含め、誰からも見向きもされなくなってしまいました。その後はどうかというと、私の2年下の後輩たちから、EPIに切り替わっています。大学のワンゲル部ではそもそもピーク1は備品にもなく、個人所有もゼロという状態でした。
 
そんなピーク1でしたが、社会人になってからもっとも進化したピーク1、という触れ込みなので、つい買ってしまいました。山行ではほとんど使いませんでしたが、カヌーツアーやスキーではおいしいご飯を炊く必要から大いにその活躍の場を持ちました。せっかく修理したので、また使って見ることにしますか。
 
ただし、シーカヤックのお供には全く向きません。鉄部品が多いので、塩分の多い状況には置きたくないからです。


顔アイコン
葦立のSさん、息子さん、お元気そうで何よりです。
アウトドアやってますね!
Peak-Ⅰ使ってますね。僕も愛用です。ガス式より複雑で重いし故障しやすいのが難点ですが、寒くても使えるので捨てられませんね。
はじめて訪問しました。これから宜しくね。 削除
2012/8/24(金) 午後 7:59
返信する
顔アイコン
山のmochiさん、コメントありがとうございます。mochiさんのブログは隅々まで拝読いたしました。素晴らしい活動をされていますね。最近の父はパソコン相手に囲碁ばかり打っております。年なので、涼しくなるまでは仕方がありませんが。 削除
2012/8/24(金) 午後 10:41
返信する